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植物の異変・トラブル

植物が徒長してしまう原因と対策|腰水をやめるタイミング

徒長

でっぷりとした姿かたちが魅力的なコーデックスですが、育て方を間違えるとヒョロヒョロとモヤシのようになってしまうことがあります。

これを「徒長する」というのですが、原因はいくつか考えられます。

特に種から育てている時に、もろもろのタイミングを誤ると徒長しがちな気がするので、その注意点について書きたいと思います。

徒長の3大原因

植物が徒長する原因として言われているのが「日光不足」「通気性の悪さ」「水・肥料の与え過ぎ」の3つです。

そもそもなんでヒョロヒョロと上に伸びるのかと考えると、発芽直後の芽が本来遺伝子レベルで備わっている「地上にはい出ようとする動き」が発芽後も長く続いてしまっているからと考えると理解しやすいように思います。

植物は太陽に向かって伸びるので、日光が不足すれば他の植物に負けないように上に伸びようとするのは自然な話ですし、風の強い場所に生える植物は倒されまいと太くなります(植物がストレスを感じてエチレンなどの植物ホルモンを出すので太くなる)。

薄暗い所で無風で水も肥料もたっぷりという環境は、徒長まっしぐらな環境なわけですね。

【余談】:植物に話しかけると太くなると言われる理由

「植物に話しかけると大きく育つ」という話を聞くことがありますが、これは植物に話しかける人は「話しかけるときによく植物を触る」という別の特徴が大きく関係しているようです。

前述の「風が与えるストレス」と同じで、人間が植物に触れることでも植物はストレスを感じてホルモンを出し太く強くなろうとします。

この理屈で言えばべたべた植物に触ればストレスを感じて太くなってくれるんでしょうかね?パキポディウムなんてトゲトゲですけど。

実生株の徒長を防ぐためのポイントについて考える

実生
徒長しやすい環境というのは理屈では理解できるのですが、やはり実生株を育てる過程で沢山種をまくと個体差があって、ひょろっとした子から将来有望なまん丸な子など様々です。

そういう個体差は無視して、できるだけ発芽直後に徒長しないように育てるにはどうしたらいいのか考えてみると以下のポイントが重要な気がします。

発芽直後に徒長させないためのポイント

1.できるだけ早く密封状況を解消する
2.腰水をやめるタイミングを早める
3.排水性の高い用土に早めに植え替える
4.日光を当てる(不足分はLED照明などを使う)

密封状態解消のタイミング

個人的に一番大切だなと感じるのは1番の「密封状態の解消」です。なぜなら病的に徒長してしまった株たちは長い間密封容器で育てていた時に多く見かけたからです。

これが起きる理由としては、1つの種苗容器に複数の種を寄せ植えのように載せている場合、どうしても発芽開始のタイミングに個体差が出ます。

発芽
※ユーフォルビアオベサ実生。発芽のタイミングにバラつきがあり、まだ発芽していない種も見られる

既に発芽した種については密封状態である必要はないのですが、他にもまだ発芽していない種がある場合は密封状態を解消するのが遅れてしまい、最初の方に発芽した種はその間どんどん上に伸びてしまうという理屈です。

この対策としては「予め密封状態で発芽させるのをやめる」か「個別の容器に種を植えて発芽した物からどんどん密封状態を解消する」などが考えられます。

全部の種が同時に発芽してくれると良いんですが、なかなかそうもいかないのが難しい所です。

腰水をやめるタイミングと植え替えのタイミング

2番と3番は同様の理由で、常に土に水が含まれている状態は徒長の原因になるので、早めに腰水をやめて、発芽用ではなく育苗用の排水性の高い用土に植え替えるのも良い方法でしょう。

私はパキポディウムなら本葉が4枚出たくらいで腰水をやめ、育苗用の用土に植え替えています。

これもよくよく考えてみると、植物の根が土の渇きを感じると「水分をため込もう」と考えて、植物体内に貯水するようになり自然と幹が太くなりますよね? 常に成長に使える水が豊富にあるよりも、乾燥を感じた方が「貯水」に植物の意識が向くのではないでしょうか。

腰水は早くやめた方が、水を求めて根も成長しやすくなりますし、水切れの危険性もありますがちゃんと管理できれば早期の腰水中止は良いことも多いと思います。

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日光不足を解消する

幼苗は早い段階で直射日光に当てるとわずか数時間で一気に枯死してしまうので、タイミングを見計らうのが難しいです。

かといって日光不足だと徒長するので、私は午前中の日が柔らかいうちに日光が当たる場所に置いておき、それ以外では植物育成用のLEDライトを使って日光不足を補っています。

植物育成用LED
これを使うようになってからコーデックスが幼苗のうちから太るのが増えてきているので、効果はあるんだろうなぁと感じていますね。

まとめ

徒長にはかなり明確な原因が存在しているので対策はたてやすいと思います。

どうしても徒長する株が多い場合は、今回ご紹介したポイントを踏まえて環境を変えるなどの対策をとってみてくださいね。