ディオスコレア・エレファンティペス(Dioscorea elephantipes)は、「亀甲竜」という名前で知られていますが、塊根部分が亀の甲羅のように亀裂が入り盛り上がるのが人気のコーデックスです。
成長期と休眠期がはっきりしている植物で、成長期には蔓をぐんぐん伸ばして茂りますが、ひとたび休眠期に入ると葉を全て落として活動を停止します。
活動期にどれだけ大きく育てられるかが決め手になると思うので、その辺も踏まえながら私の実生栽培記録をまとめていきます。
Contents
ディオスコレア・エレファンティペス(亀甲竜)の種子の購入
【種子の購入先】 seed stock
【種子の購入個数】10粒(+2粒おまけ)
【種子の購入時期】2019年2月
種子の購入はseed stockです。
実際は購入した種子に対して発芽確認のためにサンプル種子としていただいたものです。
亀甲竜は流通量の多い品種なので、種子や実生株は比較的容易に手に入れることができると思います。
実生数年経過した株であれば、楽天ショップなどの通販サイト以外にもメルカリなどの個人売買でも安価に購入することができるので探してみてください。
亀甲竜にはアフリカ産とメキシコ産の2種類がある
一般的に亀甲竜というと、流通量の多い「アフリカ亀甲竜」を指しますが、これとは別にメキシコ産の「メキシコ亀甲竜」という品種もあります。
この2品種の決定的な違いは、アフリカ亀甲竜が「冬型」なのに対して、メキシコ亀甲竜は「夏型」という点です。
この違いは栽培サイクルにも大きな影響を与えるので、栽培したい亀甲竜の産地がアフリカなのかメキシコなのかはしっかりと確認しておくようにしましょう。
因みに、別品種ですが亀甲竜と同じディオスコレア属の「ディオスコレア・シルバチカ」は夏型のコーデックスですので、こちらもあわせてご覧ください。
ディオスコレア・エレファンティペス(亀甲竜)の種まき~発芽
【発芽率】 10/12(83%)
【発芽観測】播種から7日後
【用土】 硬質赤玉土:バーミキュライト=1:1
【播種】 3月下旬
種まきは3月下旬に行い、腰水で管理しました。
軽く覆土はしましたが、人によっては土に種子を差し込むようにして半分だけ隠れるように植える人もいるようですね。
種子が好光性か嫌光性かは微妙なところ(どちらでもない⁉)なので、余程土の中深くに植えこんでしまいでもしない限りは、温度と湿度の条件さえ整えば発芽すると思います。
私の発芽環境は、室内で平均18~20℃程度、腰水管理なので湿度はほぼ100%です。
パキポディウムなどに比べてカビにくいので、亀甲竜に関しては殺菌剤を使った処理は行わず、発根促進効果を期待してメネデール希釈液に半日浸す程度で播種しました。
発芽率は良好で、過去にも8割以上の発芽率だったので、そこまで発芽が難しいという事は無いように思います。
播種から2か月後:本葉を展開し始める
亀甲竜は、播種後一番最初に出てくるハート型の葉っぱは子葉で、それ自体がぐんぐん伸びるわけではなく、子葉が出たのとは違う場所から本来伸びるツル状の茎葉が出始めます。
上の写真で言えば、ぼやけてる色の濃い葉が子葉で、その後ろにある明るい色の葉が2番目に出てきた本葉。その本葉のすぐ下あたりからこれから上に伸びようとする蔓が見えます。
一番最初の子葉は播種から1週間程度で確認できると思いますが、そこから2番目、3番目の実際に植えに伸びていく本葉が出てくるまでは子葉が出てからさらに1~2週間必要な気がします。
実生半年後【2019/9】:1回目の植え替え
播種から約半年後の亀甲竜ですが、順調に芋ができてきていました。
小さめの鉢で育てていたので根鉢になっていて、塊根部の成長はものすごく早い。
大きさはそこまで変わりませんが、プレステラ90に植え替えて秋の成長期に期待を込め、一旦芋は全て土の中に埋めました。
用土は「硬質赤玉土:日向土(細粒):ゼオライト=5:4:1」の水はけ重視の用土に替え、2回に1回は肥料を与えて成長を促すことにします。果たしてどれくらい成長するでしょうかね。
実生8か月:一気に生長し2回目の植え替え
前回の植え替えからわずか2か月足らずで2度目の植え替えを実施することになりました。
理由としては蔓が異常に伸びて支柱となる針金が立てられなかったこと、それとやはり塊根部の急激な成長で根鉢になってしまったことが理由です。
塊根部も若干ひび割れてきていますね。
植え替えに使った鉢はプレステラ90よりも一回り背の高い「ミニ蘭鉢」です。
私が実生で使っている鉢の種類に関しては、下の記事で詳しくまとめているので是非こちらもご覧くださいね。
蔓が伸びる亀甲竜のような植物の場合、塊根部や根の成長がさほど進んでいなくてもプレステラくらいでは支柱が立てられずに植え替えを余儀なくさせられることがあるので、このミニ蘭鉢位を準備しておけばいざというときにすぐにスムーズに植え替えができます。
意外とホームセンターなどでは取り扱いが無いので、ネットで予め注文しておくと便利。私は結構余分に注文してストックしています。
表土から見える塊根部分もかなり大きくなりました。
また、このミニ蘭鉢なら針金をしっかりと植えこむことができるだけの高さがあるので、次の休眠期である来年の夏まではこの鉢のまま行けそうです。
亀甲竜はある程度の成長段階になると沢山水や肥料を与えることで一気に生長するので、水はけのよい用土にするのは正解だったと思います。じゃぶじゃぶ水をあげてもすぐに乾いて塊根部が大きくなります。
ただ、水はけの悪い用土でこれをやると根腐れにつながるので注意です。
まとめ
ディオスコレア・エレファンティペス(アフリカ亀甲竜)の育て方と実生栽培記録についてまとめました。
引き続き我が家の亀甲竜の成長に伴い、実生栽培記録を更新していきます。