こんにちは、金成コーデックスです。
私は2021年からビカクシダの胞子培養を約10種類行っていますが、本記事はその中の「Platycerium madagascariense/プラティケリウム・マダガスカリエンセ」の胞子培養記録です。
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【ビカクシダ】プラティケリウム・マダガスカリエンセについて
(※画像:wikimedia commons)
Platycerium madagascarienseは、種小名にマダガスカルとあるようにマダガスカル島の固有種です。
ビカクシダの原種18種の中の1つで、貯水葉に深く刻み込まれるシワが特徴で気なのとともに、育てるのが難しく枯らしてしまう人が多いことでも知られています。
自生地ではマダガスカル島の東側の一部にのみ分布しています。環境としては年間通して降水量が多く風も強い場所で、時には10℃を下回ることもあるので寒い場所でもあります。
寒さには強いけど枯らしてしまうのには、やはり「根茎部の乾燥を避けつつも蒸れ過ぎには注意しなくてはいけない」というバランスが難しいんだろうなと思います。乾燥させ過ぎてはいけないけど、風通しの悪い場所では蒸れて枯れてしまう。
風は当てつつも乾かし過ぎちゃダメよ、、って結構ハードル高いですよね。
よく聞くのは、
・乾燥を防ぐために容器で管理 → 蒸れすぎて枯れる
・蒸れ防止のために葉水メインで乾燥気味に育てる → 根茎部が乾燥で枯れる
・朝晩の浸水&風を当てて管理 → いい感じに育つ(but 手間がかかる)
という声。
コツをつかめば子株を吹きやすいので増やすのも容易だそうですが、その環境を用意することができる人が少ないのも事実。枯らさずに育て続けるコツなんかも、ゆくゆくは胞子培養株で実験できたらなと思います。
プラティケリウム・マダガスカリエンセの胞子培養記録
P.マダガスカリエンセの胞子をまく【胞子培養開始:2021/1/30】
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2021年1月30日に胞子をまきました。
胞子培養の基本的な手順については、P.alcicorne(プラティケリウム・アルシコルネ)の胞子培養の記事で詳しく書いており、それと全く同じなのでそちらもあわせてご覧ください。
マダガスカリエンセは栽培が難しいと言われていると冒頭でも触れましたが、実生栽培自体は他の品種と差がみられるのでしょうかね。
ジフィ―セブンが緑色になってきた【2021/2/11】
マダガスカリエンセは同時に胞子をまいた他品種(hilliiなど)よりも早く胞子発芽しました。
蒔いた胞子が上手く分散されてくれたおかげかどうかは分かりませんが、過密になることもなくいい感じに緑色になっています。
早くもマダガスカリエンセの前葉体を発見【2021/3/5】
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マダガスカリエンセは依然順調。まだ1か月ちょっとしか経過してないのに前葉体を発見したので、徐々に受精のために水滴をぽたぽたと落としていく作業を開始。(※ビカクシダは胞子体を形成するためには前葉体の段階で水を介した受精が必要)
アルシコルネは85日目くらいで胞子体を発見したので、この後2か月もすればこのマダガスカリエンセでも胞子体がみられるはず。
まとめ
本記事はP.madagascarienseの胞子培養の経過を引き続き記録していきます。
胞子培養による成長速度は遅い感じはしないので、どのような経過を経てあの特徴的な要望になるのか楽しみにしつつ、栽培を行っていきたいと思います。