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オトンナ/Othonna

オトンナは自家受粉するのか|雌雄異熟の頭状花序の観察と受粉タイミング

オトンナ

こんにちは、金成コーデックスです。

私はこれから取り組む目標として「冬型コーデックスの種子の自家採取⇔実生栽培のサイクルを作りたい」というものがあるのですが、中でもキク科のオトンナについては小型でスペースもそんなに必要ないのでどんどん増やしたいなと思っています。

中でも、Othonna cacalioides/オトンナカカリオイデスは最優先品種にしたいと思っているのですが、まだ花芽をつけている親株になりそうなものが1つしかありません。

ただ、めちゃくちゃ沢山花芽をつけてるのでどうにか自家受粉で種子を採取できないかどうか気になって、ちょっと調べてみました。

自分の考えをまとめるものなので、多分に間違いが含まれている可能性があります。違う所があれば是非ご指摘いただければと思いますが、内容については参考程度にご覧いただければ幸いです。

オトンナは雌雄異熟(dichogamy)

自家受粉が可能かどうかは植物の性について考えるとなんとなく想像がつきます。

オトンナの場合、自家受粉が可能かどうかGoogle検索で調べたらあまり具体的な情報がなく、実際に自分でやってみる&総合的に判断するという両輪で進めていきたいと思います。

オトンナは、1つの花の中で花粉を送り出すオスとしての働きと、花粉を受け取れるようになるメスとしての働きの両方を持つ「両性花(序)/両性個体」だそうで、そのそれぞれの時期が時間的にずれることによって自家受粉が起こりにくい「雌雄異熟(dichogamy)」であるとされています。

これが、それぞれ性別がはっきり分かれている「雌雄異花(または単性花)」であれば自家受粉はしないので、雄と雌の少なくとも2つ以上の株が必要です。

オトンナの場合は雌雄異熟なので、一部のユーフォルビアとかペラルゴニウムやサルコカウロンのようなフクロソウ科の植物なんか同じで、花の熟するタイミングがずれているだけで自家受粉自体は「多分できる」、、はずです。

オトンナは雄性先熟(protandry)

雌雄異熟の中でも、オトンナは雄性期(花粉を作る時期)が先にくる「雄性先熟」であるようです。

雄性先熟といっても、雄性期と雌性期のずれの大きさも様々で、雄性期が完全に終わってから無性期をはさんで雄性期になるものや、雄性期のあとにすぐ雌性期がくるもの、間に両性期をはさむものなど様々です。

実際に自分でオトンナカカリオイデスの花を観察した感じだと、無性期は挟まず比較的雄性期と雌性期が近いタイミングで来る印象がありました。

つまりは雌雄異熟でも自家受粉しやすいタイプのように思います。

オトンナカカリオイデスの花が咲くと、最初はこのような花(雄の時期)になります。

オトンナ 雄性期
赤い矢印の場所に花粉がついていて、擦ると黄色い花粉が飛びます。

オトンナの花は「頭状花序」といって、沢山の小さな花が集まって一つの花を形成しているのですが、ぺらっと開いたいわゆる花びらっぽい所(舌状花)のそばにぴょんと飛び出たところが花粉がついている場所です。

その後、数日経つと花芽は次の写真のように変わります(雌の時期)。

オトンナ 雌性期
花の縁側に花粉を伴い飛び出ていた部位が無くなり、今度は中央付近にぴょんと飛び出た部位がまとまって何個かあります(青い矢印)。

この花の時期が所謂「雌性期」で、花粉を受け取れる状態なわけですね。

このように一つの花の中で雄の時期と雌の時期が入れ替わるようにタイミングのズレがあります。

単純に考えると、花芽が複数ついている時に、花序をよく見て雄性期の花粉がついているものを筆などをこすりつけて花粉を取り、雌性期に入った花序につければ同一株で自家受粉が可能なはずです。

オトンナカカリオイデスで自家受粉を試してみた

ここからは仮説ではなく、実際に自分でやってみた結果を記録します。

注意点は以下の二つ

①まず種子がちゃんと採取できるかどうか
②種子ができた場合、その種子に発芽能力があるかどうか

オトンナカカリオイデスの実生株が開花をしてから、約1ヶ月の間に自家受粉をしてみて、花序が熟して茶色くなったものを採取してみましたが、これまで5つの花芽のうち種子ができていたのは「ゼロ」です。

そもそもが実生半年の未熟な実生株ということもありますが、今の所自家受粉での結実は成功していません。

引き続き受粉作業を継続しつつ、結果が出次第ブログ記事を更新したいと思います。

まとめ

本記事ではオトンナの自家受粉の可能性についてまとめました。

当然といえば当然ですが、自然の中で生き残るために「自家受粉にならないように雌雄異熟という性質を持っている」ので、自家受粉を意図的に行おうとしても結実の可能性はかなり低いようです。

種子の採取を目的として栽培するなら、血統の違う株を複数個用意するのが確実でしょう。

今後の経過については当記事の更新か、SNSでの投稿をご覧いただければと思います。