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コーデックスの栽培知識

難発芽性種子に効果のある「スモークペーパー」の代替品として木酢液は使えるのか?

木酢液

こんにちは、金成コーデックスです。

オーストラリアなどの植物の中で、特に難発芽性種子の発芽時に使われることがある素材に「スモークペーパー」や「スモークウォーター」というものがあります。

これを使う事で(植物の品種にもよりますが)難発芽性種子の発芽率が劇的に向上することがあるようで、私も使ってみるべく探してみたんですがヤフオクで出品されている方が数名いるくらいで他には見つけることができませんでした。

このスモークペーパーらの効果がどれほどのものなのか、実際に試してみたかったのですが手に入らないという事なので身近にあるもので代用可能かどうかを試してみることにしました。

本記事はあくまで思い付きによる実験であって、その効果を確証するものではないのでご了承ください。また、同様の実験を行ったことがある人、スモークペーパーを使ったことがある人、他に代替品をご存知の方がいらっしゃいましたら、是非教えていただきたく存じます。

スモークペーパー/スモークウォーターって何?

オーストラリアでよく使われる発芽促進用の素材

スモークペーパーやスモークウォーターは、その名の通り「木などを燻した煙を通した水(を染み込ませた紙)」です。

オーストラリアの難発芽性種子の中には、山火事を起因として発芽のスイッチが入るものが少なくなく、スモークペーパーなどを使って木を燻した煙を種子に吸わせ「山火事を疑似体験させることで発芽のスイッチを入れる」というロジックだそうです。

そしてそれがテキメンに効果があるとのこと。

色々調べてみると、通常の発芽管理では数週間ほとんど動きが無かった種子が、スモークペーパーなどを使う事で半日足らずで発芽が始まったなどの情報がわんさか出てきます。オーストラリアではかなりポピュラーな発芽管理方法らしい。

荒っぽい方法では「ティッシュペーパーに種子を包んで火をつけて燃やす」なんてものも場合によっては効果があるようで、オーストラリアの植物にとって山火事というのは遺伝子レベルで刷り込まれた「生命の危機/子孫を残すラストチャンス」のようなものなのでしょうね。

特にオーストラリアのユーカリ林の中に自生するヤマモガシ科のバンクシアという植物は、山火事が無いと発芽しない植物として有名だそうです。(※日本植物生理学会 – 自然発火の仕組み)

スモークペーパーなどは日本では手に入りにくい

ネットで購入できないかスモークペーパーとスモークウォーターを調べるも、ディープパープル(smoke on the waterって曲が有名)ばかりが検索にヒットしてしまい肝心な商品は全く見つかりませんでした。

こんなに手に入りにくいなら本当に効果があっても頻繁に使うことができないんじゃ意味がないと思い、代替品を探すことにしました。

木酢液・竹酢液で代替可能なのか?

スモークペーパーやスモークウォーターが燻した木の煙りをくぐらせた水ならば、日本にも製法がほぼ同じものがありますよね。

ってことで自宅の納屋にある「木酢液」を使って発芽に影響が出るかどうかを見てみようと思いつきました。

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元々このスモークペーパーについて知ったのは、現在発芽管理中のペラルゴニウム・トリステなど「ペラルゴニウムの発芽にはスモークペーパーの効果が顕著にみられる」と教えていただいたため。

そこでペラルゴニウム・トリステの発芽管理のなかで比較実験しようと、木酢液を500倍程度に希釈した液を播種前に種子に染み込ませてから播種したものとそうでないものを分けてみました。

トリステ 木酢液
発芽管理の経過の詳細に関しては、ペラルゴニウム・トリステの実生栽培記録の記事をご覧ください。

ペラルゴニウムトリステ
Pelargonium triste / ペラルゴニウム・トリステの育て方【実生栽培記録】どっしりした塊根がカッコいい人気の冬型コーデックス「Pelargonium triste / ペラルゴニウム・トリステ」の実生栽培記録です。種子の発芽管理から成長の過程を随時更新しながら記録します。...

注意点としては木酢液は強酸性なので絶対に原液をそのまま使わない事。最低でも500倍~1000倍には薄めてくださいね。

実際に比較検討した種子の数が7~8粒ずつだったので、有意な差を確認するに至る結果はわからないので、あくまで参考程度に留めていただきたいのですが、播種後5日目の現状では木酢液を含んだ方が発芽の開始が早いです。

【追加情報:2021/4/29】スモークペーパーの効果は立証済みだけど、木酢液とは作用機構などがちょっと違うらしい

本記事をSNSでPOSTしたあと、以前ビカクシダの胞子培養の時にも色々アドバイスいただいたたわし集めさんから追加情報を教えていただきました。

どうやらスモークペーパーの効果は既に研究で有効成分が立証されていて、おしえてもらった通りペラルゴニウムにも効くとのこと。ただし、木酢液は似ているけどちょっとスモークペーパーとは違っていて、同様の効果が得られるというわけではないと。

大変勉強になりました!

尚の事スモークペーパーをGETして、ペラルゴニウムの発芽にどれだけ影響を与えるのか見てみたいですね。

スモークペーパーどっかで手に入れられないか探してみます!

まとめ

スモークペーパーがどの程度、発芽促進に効果があるかという実験は出来ませんでしたが、木酢液や竹酢液でも代用できるんじゃない?という思い付きのチャレンジをしてみました。

スモークペーパーの効果と木酢液での効果を比較したわけではないのですが、もしかしたら難発芽性種子の発芽スイッチを入れるツールの1つとして木酢液って使えるんじゃないの?という実験は良かったんじゃないかと思います。

積極的に使う必要があるかどうかは不明ですが、なかなかうまく発芽しなかったときの奥の手というか、引き出しの1つとして持っておくのも悪くないんじゃないかなと。

個人的には山火事が起因となって発芽のスイッチが入ることがあるっていうのがものすごく面白かったので、その知識をシェアしたかったというのが一番かもしれません。

これも実生栽培をする楽しみのひとつですよね。