こんにちは、金成コーデックスです。
室内栽培でも植物の日照不足を補う事の出来るLEDライトですが、一般的に植物の生育に特化したものは赤色LEDと青色LEDの数のバランスから「ピンク色の光」になることが多いですよね。
私は既に2台LEDライトを持っているのですが、いずれもピンク色の光を発する商品で冬の間は室内が怪しい雰囲気を醸し出すようになります。
今回、増えた植物を冬越しさせるべく新たにガラス温室を新調したので、そこに設置するLEDライトはピンクではなく白っぽい光が出るものが良いなと思って探しました。
本記事では、以前下の記事でご紹介したピンク色になる方のLEDライトとの使用感の比較などもあわせてご紹介したいと思います。
Contents
HIPARGEROの植物育成用LED照明
私が購入したのはhipargeroというメーカーの植物育成用LEDライトです。
このメーカーのサイトに行くと、どうやら植物育成用のグローライトよりもアクアリウムなどに使う照明の方がメインのようで、外国メーカーなので調べてもあまり詳しい情報は出てきませんでした。
ただ商品説明をみると「照明がとにかく明るい」「ピンク色の光じゃない」っていうのが第一印象として目立つ情報でした。
LEDチップの種類と違い|SMDチップとCOBチップの違いについて
今回私が購入したHipaegeroのLED照明の説明で書かれていたのが以下の内容。
赤色と青色のLEDを搭載した他社の一般的な植物育成用LEDライトとは異なり、Hipargero HG400植物育成用LEDライトには、植物用に特別に開発された高出力のCOB LED(3000Kx2)を採用。380nm~730nmのフルスペクトル光照射が可能で、屋内で栽培するあらゆる種類の観葉植物、野菜や花の全成長段階に最適です。本体に追加されたOsram社製の3W LED 8個により、植物の開花期や結実期に適した光の照射量を増やすことができ、植物の生産量を最大限に高めるのにも役立ちます。
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「高出力のCOB LED」とありますが、COB LEDが何のことかわからなかったので調べてみると、LEDチップには「砲弾型」と「COB(チップオンボード)」と「SMD(表面実装)」という3種類があるそうです。
特に比較されやすいのがSMDとCOBで、メリットとデメリットは以下の通り。
メリット
ハンダ付けするだけで点灯ができるシンプルな仕組みなので、チップを小さくでき湾曲した面や小さいライトにも使用できる
デメリット
高照度を実現するにはSMDチップを沢山使う必要があり、点灯する際にそれらのチップの影が多重に重なりやすい
メリット
高照度と放熱性能の両方を実現でき、とにかく明るい
デメリット
製造における手間が多く、製造コストが上がるので単価が高い
この植物育成用LEDライトで使われている2つのCOB LEDというのは、値段が高いのがデメリットだけどとにかく高照度を出せて放熱性能も高いというのが特徴らしい。
実際にLED部分を見てみると中央付近に2つ大きなLEDがついているので、これがその明るいCOBというLEDのようですね。
一方で、私が以前購入したLEDライトを見てみると
たしかに小さなLEDが無数についていて、基盤に直接ハンダ付けしてあるのがよくわかりますね。
上の写真は実際に両方のLEDを点灯させた状態。
光を写真で撮影して明るさを比べるのは難しいのでわかりにくいかもしれませんが、以前購入したSMDチップのLEDライト(左)は明らかにピンク色で、今回購入したCOBチップのLEDライト(右)は白く高照度なのがなんとなくわかっていただけるかと思います。
実際に照明をつけてみると、かなりはっきりと明るさに違いがあります。
両者のLEDチップがついた面を見ると、今回購入した方はLEDの数が明らかに少ないですが、そもそもLEDチップの実装の種類が違うので明るさに対する影響は心配ないようですね(というかLEDの数が少ない今回購入した方が明るい)。
そして中央の2つの大きなLEDの周囲にある8つのLEDが、「紫外線(UV)」や「赤外線(IR)」を含む広範囲のスペクトルを照射してくれるので、照射時の光の色は白っぽいですが、しっかりと植物の生育に必要な光線は出ているとのこと。
放熱性能が高いということは熱が発生するという事
HipaegeroのLED照明は熱を放出するので長時間照射するとかなり熱くなります。
ライトの近くだと4~5℃位は温度が上がるので、ガラス温室内の上段と下段では(空気の循環が無い状態で)3度ほど温度に差が出ます。
ガラス温室を締め切った状態でLEDを長時間漬けたら30度を超えてしまいました。(※ちなみに室内は22℃)
これだけ温度が上がることに気づかず、最初は上段に置いていた植物の葉が熱で枯れてしまったので注意が必要ですが、LEDから適切な距離をとればヒーターを使わずとも日中は温度を保てるのは良かった点かもしれません。
換気や空気の循環を行わないと温室内が高温になってしまうことがあるので、使用環境や設置台数には注意が必要です。
一方で、以前私が購入したSMDチップのLED照明は、ほとんど熱を出しません。
この特徴での使い分けもあり得るので、照射時のLED機器本体が熱を持つかどうかも購入する時の判断基準として持っておくといいと思います。
ピカコーポレイションのガラス温室に設置してみた
実際に私がガラス温室に設置した様子を簡単にお見せします。
今回このLED照明を設置したのは「ピカコーポレイションの室内用ガラス温室FHB-1508」です。
ただ、付属のワイヤーで設置したら上の写真のようにかなりだらーんと照明が下がってしまって、温室内上部の空間が有効活用できてないので少し細工をして固定しました。
これがHipaegeroのLED照明に付属している吊り下げ様のワイヤーなのですが、カラビナじゃない方のシルバーの金具を全て取り外して使います。
上の写真のようにワイヤー部分無しで金具を直接四隅につけてしまいます。
別途なんでもいいので指先で曲げ加工ができるくらいの柔らかさの針金を用意して、温室の棚板に先ほど四隅に付けた金具を固定します。
こんな感じで固定することで、棚板2枚をLED吊り下げるために使ってしまう事になりますが、温室内の空間を有効的に使うことができます。
また、このLEDは5台までコンセント1口で結合することができるので、私は2台購入して下のようにつなぎました。
これを先ほどの写真のように針金で棚板に固定して、温室内に設置して完成!
これで背の高い植物を温室内に入れても大丈夫なくらい空間を有効活用できるようになりました!
いい感じにLED照明が光を当ててくれていますし、上下からヒーティングできている形になっているので、寒さで枯らしてしまう心配よりも温室内が高温になり過ぎないように注意が必要ですね。
まとめ
今回は新調したHipaegeroのLED照明について、使った感想とSMDチップ・COBチップの違いなどに付いて解説いたしました。
COBチップのLEDは価格が高価ですが、高照度な点と熱を持ちやすい点をメリットとして捉えることができればとてもおすすめできると思います。
私はLED本体が熱を放出するので温室内のヒーティングに割くコストが減ったのは良かったですし、室内がピンク色一色にならなくて済むのも実は良かったポイントでした。
植物を大きくしたいけど部屋がピンクになるのは嫌だという人は、このHipaegeroのLED照明を選ぶといいかもしれませんね。