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コーデックスの栽培知識

ペラルゴニウムの実生栽培の方法について|発芽管理・育て方のコツ

ペラルゴニウム種子

こんにちは、金成コーデックスです。

冬型塊根植物(春&秋に成長)の「ペラルゴニウム/Pelargonium」の実生栽培の方法についての基本的な情報をご紹介します。

発芽管理から受粉についてまで簡単にまとめますが、あくまでも私の個人的な経験に基づく情報がベースになっているので、あくまでも参考程度にとどめて、より良い方法や更新すべき内容があればぜひ教えていただきたく思います。

ペラルゴニウム/Pelargoniumの実生栽培の方法

ペラルゴニウムの発芽管理の方法|低温湿潤&燻煙処理が有効

ペラルゴニウムはフクロソウ科の植物で、品種もかなり多く原種だけでも250種類以上あるとされていて、その多くが南アフリカに自生しています。一般的に「冬型の塊根植物」としてグルーピングされていることが多いと思います。

ペラルゴニウムの種子は難発芽性のものが多いとされていて、吸水させて普通に土の上にまくだけでは発芽成功確率があまり高くないかもしれません。

私の場合はペラルゴニウムの種子を発芽させる場合は以下の手順で行います。

①種子の保管は冷蔵庫
②播種前日にメネデールオーソサイド希釈液に約半日浸す
③半日吸水した種子は外殻がふやけてるので取り除く
④湿らせらキッチンペーパーに(※スモークペーパーと共に)挟み冷蔵庫に入れる
⑤冷蔵庫内で発芽させ、根が確認出来たら土の上にのせる
⑥覆土はせずに腰水管理

発芽のコツⅠ|吸水処理と低温湿潤管理

通常涼しい時期に播種するべきペラルゴニウムですが、冷蔵庫を使った低温湿潤管理をすることで発芽管理が年中容易になります。

アッペンディクラツム発芽
オトンナ&ぺラルゴニウムの発芽率を上げる方法|低温湿潤処理による休眠種子の発芽促進オトンナやペラルゴニウムなど一部の冬型の種子の休眠打破に「低温湿潤処理」が効果的な場合があります。本記事では発芽させるのが難しいこれらの種類の種子について、低温湿潤処理でどの程度発芽率が改善するのか調べたことをまとめます。...

低温湿潤管理についての具体的な方法は上記記事をご覧いただければと思いますが、簡単に言うと「湿らせた状態で冷やすことで種子に冬を体感させ発芽のスイッチを入れる」という方法です。

ただ、種子を長期間湿らせたまま管理するので適切に処理しないとカビが生えてしまう可能性があります。

手順②にあるようにオーソサイドなどの殺菌剤と共に吸水させ、さらにカビ菌が含まれていやすい種子の外殻を取り除くこと₍手順③₎で発芽するまでカビが発生しないようにすることができます。

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これで、冷蔵庫内で3~10日ほど管理すれば、キッチンペーパーの中で発芽し始めるはずです。

発芽のコツⅡ|スモークペーパーによる燻煙処理

スモークペーパー
ペラルゴニウムの多くは「燻煙処理」という方法で発芽率が上がることが知られています。

植物の中には「山火事」が起因となって発芽をスタートするものがあることが知られており、そのような植物の発芽スイッチを入れるには疑似的に山火事を体感させる(煙の成分を含んだ薬品をつかう)ことが有効です。

その薬品には「スモークペーパー」や「スモークウォーター」などがあるのですが、農薬に分類されるためおそらくネットで検索してもAmazonや楽天などでは購入することができません。

まれにヤフオクやメルカリで出品している人を見かけるのですが、スモークペーパーが農薬の一種だと知らずに出品している可能性があり、購入は正直お勧めしません。

都道府県知事への届出のない者による農薬の販売や、登録されていない者による農薬の小分け販売は農薬取締法で禁止されています。
また、登録・届出がされていない肥料の出品及び都道府県知事への販売届出を行っていない出品者による肥料の販売などは、肥料の品質の確保等に関する法律に抵触します。

上記のことから、メルカリでは農薬・肥料の出品についてルールを設けています。
事務局が禁止出品物に該当すると合理的な理由に基づき判断した場合は、取引キャンセル・商品削除・利用制限などの措置を取る場合があります。

※メルカリガイド:農薬、肥料(禁止されている出品物について)

スモークペーパーを購入するなら、販売届出を行っている方から購入するか、ご自身で取り扱いのある海外ナーサリーから輸入するといいかもしれません。

私個人では、スモークペーパーが手に入りにくいので木酢液で発芽に変化があるか試したことがありますが、結果としては木酢液はスモークペーパーの代替品にはならないという結論になりました。

木酢液
難発芽性種子に効果のある「スモークペーパー」の代替品として木酢液は使えるのか?オーストラリアなどに自生する植物の一部は山火事が無いと発芽しないような難発芽性種子があります。植物種子に「煙」を吸わせることは発芽の促進になるそうで、市販されているスモークペーパーの代替品として木酢液が使えるかどうかを試してみました。...

現在では、海外から種子を輸入する際に一緒にスモークペーパーを購入したりしています。

もし、どうしても発芽に成功させたいペラルゴニウムの種子の実生に挑戦する際は、スモークペーパーを入手しておくと発芽率を上げられるかもしれません。

発芽のコツⅢ|好光性種子なので覆土は不要

ペラルゴニウムやモンソニア(サルコカウロン)に代表されるフクロソウ科の植物の種子は、ドリル状になっていて吸水することで用土に潜り込むように突き刺さるのが面白い特徴です。

この様子から、個人的には種が半分ほど表土に埋まるくらいがペラルゴニウムの発芽によさそうだなと感じているので、冷蔵庫内で根が出た場合は、根の部分を下にして半分ほど隠れる程度に掘った穴に入れてあげるといいかもしれません。

完全に覆土する必要はないと思います。

発芽のコツⅣ|播種用土は無肥料の用土で殺菌しておこう

冷蔵庫内で発芽させた種子を置く用土ですが、私は表土を育苗用の赤玉土細粒(無肥料)のものを敷きつめて使っています。

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商品は上記のメーカーのものでなくてもいいので、ホームセンターで育苗用土と書かれた細かい赤玉土を買っておくと、実生栽培の時に使いやすいのでおススメです。

私は播種前に熱湯をかけて鉢ごと殺菌をして、冷めたら発芽済みの種を載せて腰水管理をスタートさせます。

ペラルゴニウムの種子の採取について|自家受粉の難易度

ペラルゴニウムは一般的に自家受粉がしやすいとされていますが、品種間で結構な差があると感じ、SNSでつながっているペラルゴニウムの実生栽培をされている方々にもお手伝いいただき、自家受粉のしやすさについてまとめました。

ペラルゴニウムの種子
ペラルゴニウムの種類と自家受粉の難易度|結実の難しい&簡単な品種ペラルゴニウムは一般的に「自家受粉による結実が可能」と言われていますが、自分で育てた経験からその自家受粉のしやすさ・難易度は品種によって大きく違うように感じたので、わかる範囲で自家受粉の難易度を(主観をもとに)推定してみました。...

まとめ

以上が私がペラルゴニウムの発芽管理をする際の手順となります。

燻煙処理に関してはスモークペーパーが入手しにくいという問題がありますが、自生地の南アフリカの環境においても「山火事はが発生しやすい地域とそうでない地域」があるので、一概に「スモークペーパー必須」とまでは言い切れないと思います。

しかし、燻煙処理をすることで発芽率が上がっているのは立証済みで私もそう体感しているので、もし手に入れることができそうであればご用意いただくと安心かもしれません。

ぜひ、ご参考まで!