ユーフォルビアは全世界に数多くの品種がありますが、その中でもタコをひっくり返したように沢山の脚(枝)が塊根部から伸びる品種を「タコモノ」や「Medusoid(メデュソイド:意味”クラゲのような”)」と呼んだりします。
タコモノユーフォルビアを好む人も結構いて、私もその一人です。
私自身は実生栽培が趣味なので、できるだけ沢山の品種を栽培できるようまだ育てたことのないタコモノユーフォルビアの種子を見つけては購入して播種していますが、なかなかタコモノと言われる形に育つまでには時間がかかります。
本体(塊根部)が大きくなってから分枝していく品種が多いので、なかなか種から栽培するのは難しいんですよね。
ただ、できるだけ今後もタコモノは増やしていきたいと思っているので、本記事では私自身の備忘録と今後の栽培目標とする品種を忘れないために「The タコモノユーフォルビア」と言える品種を一覧にしてまとめたいと思います。
タコモノユーフォルビアの品種一覧
品種名 | 和名 | 入手難易度 |
E. inermis(イネルミス) | 九頭竜 | |
E. tuberculata(ツベルクラータ) | 緑仏塔 | |
E. colliculina(コリクリナ) | ||
E. gorgonis(ゴルゴニス) | 金輪際 | |
E. caputmedusae(カプトメデューサエ) | 天荒竜 | |
E. esculenta(エスクレンタ) | 閻魔キリン | |
E. gatbergensis(ガトベルゲンシス) | 鷲卵丸 | |
E. flanaganii(フラナガニー) | 孔雀丸 | |
E. arida(アリダ) | 白仏塔 | |
E. atroviridis(アトロビリディス) | ||
E. astrophora(アストロフォラ) | ||
E. gamkensis(ガムケンシス) | ||
E. fusca(フスカ) | 蛮蛇頭 | |
E. decepta(デセプタ) | 緑鬼玉 | |
E. brevirama(ブレビラマ) | ||
E. pugniformis(プグニフォルミス) | 幡竜 | |
E. pentops(ペントプス) | 白頭竜 | |
E. planiceps(プラニセプス) | ||
E. huttonae(フットナエ) | ||
E. davyi(デビ―) | 蛇鱗丸 | |
E. clavarioides(クラバリオイデス) | 飛頭蛮 | |
E. ramiglans(ラミグランス) | ||
E. multiceps(ムルチセプス) | 多頭キリン | |
E. crassipes(クラッシペス) | 俱梨伽羅玉 |
※参考:isla del pescado、World of succulents、Dave’s garden
ざっと調べてみると24種類ほど見つけることができましたが、おそらくまだまだ沢山のタコモノユーフォルビアが存在していると思います。
ここでご紹介した名前は日本でも見かけることがある代表的な品種でごく一部、入手難易度に関しては私が調べた中で流通量や情報量から感覚的に書いたものなので参考程度に見てください。
タコモノユーフォルビアの代表的な品種たち
Euphorbia inermis:九頭竜
原産地は南アフリカのケープ州。
タコモノユーフォルビアの中でも丈夫で育てやすいこともあり、流通量の多い品種のひとつ。種子も流通しているので実生栽培もおこないやすい。
Euphorbia tuberculata:緑仏塔
※画像は私の育てている実生株のもので、まだタコモノたる形状にはなっていません
原産地は南アフリカの西ケープ州。
成長すると前述のイネルミス(九頭竜)に似た形になりますが、幼苗期はツベルクラータは縦に伸び、塊根部も形成するのでよりどっしりとした見た目になります。
日本国内ではあまり流通していないので、私は種子を海外から輸入して実生栽培を行っています。
Euphorbia colliculina
※画像は我が家の実生株。実生8か月目でようやく枝が出てきた
南アフリカ原産のタコモノ。
日本国内では流通量は少なく、野生化でも絶滅の危機に瀕している品種だそうですので見つけるのは意外と難しいかもしれませんが、種子は海外で取り扱いのある場所も多いので探せば入手は可能だと思います。
成長すると塊根部が大きくなるのでなかなかカッコいい見た目になりますが、私の実生株(上の写真)は7か月ほど育ててようやく枝が出てきたくらいなので、成長はそこまで早くありません。
ただ、発芽率も良かったですし育てやすいので、国内で実生栽培をして増やすことはそこまで難しくなさそうです。
Euphorbia gorgonis:金輪際
原産地は南アフリカ、東ケープ州。
迫力のある見た目とは裏腹に意外と小型のタコモノユーフォルビアで、大きくなっても片手に乗るサイズくらいにしかなりません。
私がタコモノを好きになったきっかけの品種なのですが、種子の流通はあまりないのでまだ実生栽培を行えていません。
人気のある品種なので成長した株は結構流通していて、メルカリやヤフオクなどで栽培株を購入するのはさほど難しくないと思います。
Euphorbia caputmedusae:天荒竜
南アフリカのケープタウン周辺が自生地。
成長した株はかなり大きくなり、イネルミス(九頭竜)などに比べると枝が遥かに長くなります。自生地ではまさに「メデューサ」と言えるほど長く髪の毛のように伸びた株を見ることができるそうです。
流通量は少なく、タコモノユーフォルビアの中でも人気のある品種なので入手できたらラッキーかもしれませんね。
Euphorbia esculenta:閻魔キリン
南アフリカ、東ケープ州原産。
塊根部が丸く成長し、そこから太く凹凸の少ない枝が伸びるので他のタコモノに比べて迫力満点の株になります。
サイズも中型~大型の部類に入ります。流通量は少なめです。
Euphorbia flanaganii:孔雀丸
南アフリカ、北ケープ州が原産地。
孔雀丸という和名も一般的になっていて、国内でも流通量は多めの品種です。
塊根部から伸びる枝は細めで、成長するとかなり長くなり、年に数回花を咲かせるので実生栽培もおこないやすく、種子の流通量も比較的多いです。
とても丈夫で育てやすいので、タコモノの入門編として最適な品種ですね。
Euphorbia arida:白仏塔
南アフリカ原産で、極度の乾燥地帯に自生する品種。
私はほとんど目にしたことがない品種ですが、白仏塔という和名がついているので流通はしているんだと思います。(が、ほとんど確認できていません)
タコモノ品種の中でもマイナーな品種と言えます。
Euphorbia fusuca:蛮蛇頭
南アフリカのカルー盆地が原産。
成長した枝からは花芽を伸ばしますが、枯れた後も花柄が残るので若干棘があるようにも見えますね。
塊根部が丸く大きくなるので、枝に対してボディーの大きさが目立ち、タコモノの中でも目立つ形状をしています。
栽培が難しい難物とも言われているので国内での流通はほとんどなく、珍しいレアなタコモノユーフォルビアです。
Euphorbia brevirama
南アフリカの東ケープ州が原産の小型品種。
ゴルゴニス(金輪際)よりもやや大きいくらいの小さい品種で、塊根部も平べったく成長するので横に広がるタイプのタコモノ品種です。
流通量は少なく、私は名前すらほとんど目にしたことがありません。
成長もゆっくりでマニア向けの品種かなと思います。
Euphorbia pugniformis:幡竜
南アフリカの東ケープ州原産
塊根部がしっかりと成長して枝ぶりもコンパクトな小型品種で、成長した姿もまとまりがあってタコモノにしてはきれいに育つのが特徴です。
花付きも良いので比較的若い株でも花も楽しむことができます。
日本国内での流通量はかなり少ないですが、海外では比較的見かけるので探すのであれば海外ナーセリーやebayなどの海外通販サイトの方が見つけやすいかもしれません。
Euphorbia clavarioides:飛頭蛮
南アフリカやボツワナ等が原産で標高の高い所に自生している品種
小さな球状の枝を群生するように成長するので、自生地では上の写真のように密集して生えているのを見ることができるそうです。
自生地の環境から日本での栽培は難しいそうで、日本ではほとんど流通していません。
Euphorbia crassipes:俱梨伽羅玉
南アフリカ、西ケープ州原産
塊根部は生長すると木質化して大きな球体のようになり、枝から伸びる花柄が枯れても残るのでとても独特なビジュアルになるのが特徴。
倶梨伽羅玉(くりからだま)という和名もかなり格好いいですよね。
個人的に一番憧れているタコモノなのですが、やはり日本ではほとんど流通していないので手に入れるのは難しそうです。
まとめ
本記事では一般的に「タコモノ」と呼ばれるユーフォルビアの品種についてまとめました。
私がこの中で実際に栽培しているの6~7品種くらいなのでまだまだ半分にも到達していませんが、栽培品種が増え次第随時「実生栽培記録」の方にも追加していきます。