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Monsonia multifida / モンソニア・ムルチフィダの育て方【実生栽培記録】

モンソニアムルチフィダ実生

こんにちは、金成コーデックスです。

かつてはサルコカウロン₍Sarcocaulon₎と呼ばれていましたが、現在では呼称が「Monsonia/モンソニア」に変わった、Monsonia multifida / モンソニア・ムルチフィダの実生栽培記録です。

モンソニアムルチフィダに関しては、種子の流通量も少なく実生株でもかなり高額なため、栽培したいと思ってもなかなか手が出せない人が多いと思います。

しかし、最近は「森 敏郎 | Toshiro Mori」さんがムルチフィダをはじめとするモンソニアの実生栽培方法の技術レベルを一気に上げ、短期間での開花、種子の結実までを実現させ、ご本人が自家採取した種子を流通させてくださっているおかげで、実生栽培にチャレンジする機会が増えてきたと思います。

私が現在栽培しているモンソニア・ムルチフィダはすべて森さん由来の種子で、栽培方法などはほぼ完全に森さんの方法と同じにしています。(※なので、森さんのサイトを見るのが一番手っ取り早く確実です!)

異なる栽培環境でも同様のスピードで成長、開花するのかというの参考になるため、私の実生栽培経過も載せますが、詳しくはやはり森さんのページをご覧いただくことをお勧めします↓↓

モンソニア・ムルチフィダの実生栽培記録

モンソニア・ムルチフィダの種子の入手・購入

モンソニアムルチフィダの種子は、冒頭に書いた通りあまり多く流通していません。

しかし、森さんが流通させた種子を栽培し、半年足らずで開花させた購入者たちが種子を採取できるようになってきたこともあり、徐々にメルカリやヤフオクで売られているのを見ることが増えました。

 

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時間の経過とともに流通量も増え、購入価格もある程度手の届く範囲になってくると思います。

モンソニアは冬型の塊根植物なので、播種適期は春や秋など比較的涼しい時期です。そのため播種適期の種子は高額になりやすく、逆に夏場にオークションに出品される種子は比較的安価に落札できることが多いようです(※定期的に種子をオクに出品されている森さんご本人から教えていただきました)

安価に購入したい方は、夏場を狙い、購入出来たらすぐに播種せずに秋口まで冷蔵庫で保管するなどでもいいかもしれませんね。

私の栽培株でも種子がとれるようになったら、私のウェブストアで販売する予定ですのでそちらも是非チェックしてみてください。

播種方法について

私はこれまでモンソニアムルチフィダの種子は森さんから譲り受けたものしか播種したことがないので、彼の種子を基準に播種方法と発芽までの経過をまとめます。

ちなみに、モンソニアの種子は一定割合で「シイナ」と呼ばれる、中身がなく発芽しない種子も生成されやすいので、購入時にシイナが多く混じっているとどれだけ頑張っても発芽しません。森さんはシイナを極力入れないよう確認しておられるので、今までシイナがあったことはなかったのですが、森さん以外から購入される方はぜひ注意してください。

播種方法の手順は以下の通りです。

①種子を1~3時間ほど吸水させ、果実の部分₍外殻₎をふやかす
②内部の種子を取り出し、もう数時間程度メネデール希釈液に浸す
③熱湯殺菌した用土₍軽石ベース₎に種子の尖ったほうを下にして半分ほど埋める
④腰水管理で底面吸水をしつつ、LEDで強光を当てつつ、ファンで風を回す
⑤大体1~2日で発芽₍根が下に向かって伸びる₎

実際に播種してみて大切だなと思ったポイントは、

・殻₍果実の部分₎をしっかり外してから播種すること
・最初から強い光を当てること
・播種用の細かい土ではなく、栽培用の軽石ベースの用土に播種をすること

です。

一度、栽培スペースの関係で一つのポットに4粒ほどまとめて播種したことがあるのですが、やはりある程度育つと植え替えしなくてはいけなくなり、途中で個別鉢に移したところ成長が止まり開花までかなりの時間を要してしまったことがあります。

極力植え替えをせずに成木サイズまで育てるために、播種用土は最初から栽培用のものを用意することと、寄せ植えをせずに一鉢一株で育てることがポイントです。

栽培環境について

我が家の栽培環境は、上記のようなCOB式と呼ばれるLEDライトを当てて栽培しています。

腰水管理で栽培し続けるため、徒長防止として強光を当てつつ風も当てて縦に伸びるのをぐっと押さえつけるイメージで育てています。モンソニアムルチフィダは強い光を近距離で当て続けても葉焼けすることは今のところないので、しっかりと強い光で育てるのが重要だと思います。

森さんも「葉を焼き切るくらいの勢いで光を当てる」と言っていますので、早期に開花を目指すなどの場合はCOB式のLEDを使うことをお勧めします。

モンソニア・ムルチフィダの実生栽培経過

播種2週間

ムルチフィダ実生
根の伸び方によって個体差はありますが、大体本葉が見えてきます。

森さんの種子はこれまで約95%くらいの発芽率でしたが、発芽して本葉が出るまでに脱落する株が1~2割くらいありました。時期的にはやはり比較的暑くなってくる時期₍4月₎にまいた株のほうが脱落するものが多かったので、気温や湿度も関係しているかもしれません。

播種から2か月

少し幹の部分が太ってきてますね。ちょっと葉が徒長気味なので光量を増しました。

播種後4か月半で開花

これまでの播種した経験の中で、最も早く開花したのが播種から4か月半後でした。

森さんがおっしゃるには「播種から半年もあれば開花する」とのことだったので、我が家でも再現することができました。

しかし、この成長速度が普通なのではなく、モンソニア・ムルチフィダにとって現地の環境とは大きく異なることと思います。何より森さんが半年程度での開花をBlogなどでまとめた結果、海外の栽培家?専門家?から「その成長スピードはありえない(嘘だ)」と言われたそうです。

しかし、こうやって実際に我が家の環境でも播種から開花まで半年足らずで再現できたので、彼の環境が特別だったわけではないことが分かりますよね。

彼の方法で栽培すれば、絶滅の危機に瀕している自生地のモンソニアを購入しなくても、わずかな期間で花も楽しむことができますね。

モンソニア・ムルチフィダの受粉について

モンソニア・ムルチフィダは自家受粉をしないので、受粉をして種子をとるには複数株必要です。

我が家では10株程度栽培していますが、そのうち開花株は4つ。

しかし、いずれも兄弟株だったり、花同士の相性があるようで我が家の結実率はあまりよくありません。

森さんが言うには、血が近いなどで相性が悪い場合はどんなに受粉しても種が採れず、森さん自身が管理している株でもこの株とこの株は種が採れないというのがハッキリしているようです。

森さん自身も積極的に外部からの遺伝子を取り込むようにしているようですが、種子をとりたい方はその辺も気にしてみるといいかもしれません。我が家はその辺があまりうまくいっていないので、受粉作業をせっせとしてますが種さやが伸びきる前に花芽が落ちてしまいます。

まとめ

モンソニア・ムルチフィダの実生栽培記録をまとめましたが、栽培方法の多くが森さんのメソッドにのっとったもので、彼のサイトでより詳しく書かれているので当記事では大部分を割愛させていただきました。

栽培のポイントとしては室内のLED栽培でかなり大きくなること、あとは腰水管理を続けるために徒長しやすいので、しっかりと光を当てて、加えてサーキュレーターなどで風を当て続けて「低く太く育てる」ということかなと思います。

最後になりますが、種子の流通を望んでいるのは私たち趣味の栽培家だけではなく森さんも同じで、種子の売り上げの一部をモンソニアの自生地の環境保護につながる団体に寄付されています。

ほぼ森さんの記事でモンソニアの栽培に関しては網羅されていますが、森さんの活動に賛同しつつ、モンソニアの実生栽培のハードルが下がることで現地株を購入せずとも済むようになり、ひいては自生地の環境保護につながることの助けになればと思い、記事を引用させていただきつつ₍※ご本人にご連絡済み₎まとめさせていただきました。