こんにちは、金成コーデックスです。
数あるアガベの中でも、小型で葉先の棘が長く伸びるタイプの人気種「Agave utahensis v. eborispina/アガベ・ユタエンシス・エボリスピナ」の種子を入手したので、実生栽培の記録を残したいと思います。
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Agave utahensis var. eborispina/アガベ・ユタエンシス・エボリスピナの特徴
このアガベは高山帯に自生することもあってか、アガベの中でもやや気難しい性質と言われていて、耐寒性は高いですが栽培難易度はやや高いようなんですね。
私はこれまでに近縁種の「Agave utahensis var. nevadensis/アガベ・ユタエンシス・ネバデンシス」の実生栽培を行っており、発芽率は良好で現在までに発芽した株はほぼほぼ落ちずに育っているので、まぁ大丈夫かなと高をくくっています。
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因みにエボリスピナとネバデンシスの違いは「産地」と「棘の色や長さ」
エボリスピナは棘が白く長いものが多く葉は黄緑色、ネバデンシスはエボリスピナに比べて棘が黒く、葉も青に近い緑色をしています。エボリスピナの中でも棘がうねっているのを「陽炎」と呼んで高額で取引されているのを目にしますが、棘が派手な動きをするのがエボリスピナの特徴です。
アガベ・エボリスピナの実生栽培記録
エボリスピナの種子の入手
今回、私が実生栽培に使ったアガベ・エボリスピナの種子はメルカリで出品者さんから購入しました。
以前はseedstockさんでも販売されているのを見たことがありますが、2020年6月現在では品切れ中です。
人気品種のため入荷してもすぐに売り切れることが多いので、メルカリやヤフオクなどを常に徘徊するか、過去にエボリスピナの種子を販売していたことがある出品者さんに入荷予定は無いか聞いてみるのもいいかもしれません。
播種~発芽
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詳しい播種の経過は上のインスタグラムの中でも書いていますので、そちらをご覧いただけると分かりやすいと思いますが、播種から発芽まで4日かかりました。
※種子をベンレートで殺菌しているところ
私がこれまでに播種してきたアガベの中でも、種子のサイズは1,2を争うくらい小さく、ちゃんと発芽するか心配でしたが、播種から6日経過した時点での発芽率は8割を超えていたので特別発芽させるのが難しいとかはなさそうです(※とは言っても種子の鮮度に大きく左右されます)
播種から発芽までの流れは以下の通り
- 播種前に種子をベンレートに半日浸水(※ダコニールでもOK)
- 播種用の用土は赤玉&日向土。表土にバーミキュライト1cm程度
- ヤカンでお湯を沸かして用土と鉢(プレステラ90)を熱湯消毒
- 用土が冷めたらバーミキュライトの上に種子を並べる(※覆土はしない)
- プラケース(ダイソーの200円のシューズボックス)で腰水管理(水多め)
- 高湿度をキープするために隙間を少し開けて蓋をする
- 温度はMAX28℃、MIN18℃
という条件でした。
種子の殺菌に使用したベンレートとダコニールの違いが判らない方は、こちらの記事もあわせてご覧くださいね。

私がベンレートを使っている理由は、腰水管理中に種子に糸状菌(カビ)が発生した場合に、ダコニールではカビ菌発生後の殺菌効果に乏しいからです。
発芽に至るまでの経過でカビが発生した場合は、予防的に種子を浸していたベンレート水溶液にカビた種子を再度浸したり、上からスプレーしてカビ菌の繁殖を防ぐために使うことがあるので、予防効果のみのダコニールよりもベンレートの方を使っています。
実生栽培7日目:あらかた発芽したら蓋を外す
これは個人的な感覚ではありますが、実生栽培で発芽を促すために腰水&蓋で湿度を高めていますが、発芽した後もその環境を継続すると子葉が徒長しやすいように感じています。
そのため、だいたい生えそろったら蓋は外して極端な加湿にならないようにすることが多いです。
よく「腰水管理はいつまで続けますか?」と聞かれるのですがこれもケースバイケース。
おそらくある程度子葉が伸び、本葉が展開するくらいまでは腰水管理にしていていいと思いますが、それはあくまでも「幼苗が水やりで倒れないために底面給水を行う」という目的での腰水管理という位置づけになりますよね。
私の発芽用用土は表土がバーミキュライトなので、保水性が高くいつまでも水ひたひたの腰水管理にしていると、やはり過湿状態になってしまってヒョロヒョロしやすいように感じます。
そのため私は比較的早めに腰水管理を終えて、栽培用の用土に植え替えています。
まとめ
アガベ・エボリスピナの実生栽培記録は、成長に変化が出た時に随時更新していく予定ですので引き続き経過をご覧くださいね。