こんにちは、金成コーデックスです。
ペラルゴニウムの中でも塊根部分の姿がカッコ良くて人気がある品種と言えば「Pelargonium triste/ペラルゴニウム・トリステ」ではないでしょうか。
現地球株は高額でもすぐに売り切れてしまうほどの人気で、実生株もそこまで沢山流通している印象もないので、たまに出回ってる種子を購入して実生をするか、誰かの実生株を購入するのが入り口としては簡単かもしれません。
私は運よくSNSでやり取りをしたことがある方から種子をいただけたので、種からの実生栽培をスタートさせることができました。
本記事ではP.tristeの実生栽培の経過をまとめます。
Contents
Pelargonium triste/ペラルゴニウム・トリステの育て方【実生栽培記録】
ペラルゴニウム・トリステの種子
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種子をいただいて驚いたのが、とても機能美のある種子だったこと。
ドリルや発射された後の銃弾のようならせん状の殻を持った種子は、はっきりと「地面に降り立ったら土に潜るよ」と主張しているかのようです。
上のインスタの投稿にもあるように、私はメネデール希釈液に浸水させた後に外殻を向いて播種したのですが、このらせん状の殻をつけたまま濡れた用土に差し込むと、水を吸った殻がピンと1本の線のように伸びる過程で種子が回転し地面に潜り込むようにできています。
ただの見せかけではなく、本当に地面に刺さるようにできてるので、やっぱり植物って凄いなーと思わされます。
何パターンかに分けて播種する(木酢液の効果実験)
今回いただいた種子はご厚意でいただいたものですが、いただいた手前全滅は避けたい。
という事で、
①外殻を剥くパターンと剥かないパターン
②メネデール希釈液ONLYと木酢液を加えたパターン
③粒度の荒い用土と保水性の高いピートバン
の3つについて調べることにしました。
ただし、いただいた種子の総数が多いわけではないので、それぞれのパターンを比較するのに十分な数の種子を使っているかと言えばそうではなく、種子の鮮度や個体差で結果が大きく変わることがあるのであくまで参考程度に留めておいてください。
木酢液を加えたパターンを試した理由について
ペラルゴニウム・トリステの発芽に関しては比較的外殻が硬いこともあって発芽に苦労している人も少なくないようで、色々な情報を耳にしました。
そんな中でオーストラリアの難発芽性種子の発芽を促進させる「スモークペーパー」がペラルゴニウムの発芽にも明らかにいい影響を与えるという話を聞いたのがきっかけです。
これについては以下の記事で詳しくまとめているのでそちらをご覧ください。
ペラルゴニウム・トリステの発芽が開始【播種から3日目】
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播種から3日目でペラルゴニウム・トリステの発芽が始まりました。
一番最初に動きだしたのが「ピートバン・外殻剥いた種子・木酢液あり」の種子1つ。
1つだけなので確定的な事は言えませんが、用土に関しては保水性が良い用土(ピートバン)の方がよさそうな感じ。
ピートバンは手でほぐしてDaisoのザルタッパーに浅く敷き詰め、熱湯をかけて殺菌&吸水をしたものを使っています。
外殻を剥いてピートバンにさし込んで半分くらい埋めたものの多くが、生き生きとした緑色になっているのに比べ、鹿沼土細粒&赤玉細粒にさし込んだ種子の多くは色があまり変わらないまま動きが鈍い印象です。
播種から3週間。硬実処理を施す
ペラルゴニウムはどうやら播種前に硬実処理をやった方が発芽率は上がりそう。詳しくは下のブログに書きました!ご参考まで♪https://t.co/QHJoAA3Idv pic.twitter.com/wxjxsMHsmm
— 田舎センセイ (@inakasensei) May 14, 2021
播種してから2つ目までは発芽してくれたんですが、3つ目以降が続かずちょっと苦戦をしていました。
ちょうどそのタイミングでオペルクリカリア・パキプスの種子を播種することになり、水を吸いにくい硬実種子の処理を行うために調べものをしていると、ペラルゴニウムも実は硬実種子であるという情報を発見。
上の「硬実種子を発芽させる方法」という記事の中で、硬実種子の処理の方法をご紹介しているので是非参考にしていただきたいのですが、一度トリステの種子で動きがみられないものを掘り起こして、子葉に当たる部分をカッターで薄くそぎ落とすという物理的処理を施しました。
すると、約3週間動きがみられなかった種子が僅か2日で発芽開始。
明らかに吸水されて発芽が始まりそうな種子もいくつかありましたので、ペラルゴニウムは播種前に子葉側にあたる外皮をカッターや針などで薄く傷つけるというような処理は効果的なんじゃないかなと思います。(※2022年現在ではペラルゴニウムの発芽に関しては、外殻をカッターで切る方法は内部を傷つけるリスクがあるのでやらなくなりました。後述する低温湿潤処理での発芽方法がかなり効果的なので、そちらをお勧めします【2022/6/6追記】)
硬実処理をせずに播種した場合、3週間のうちに発芽をしたのは3/10のみだったのですが、これが今後どのように進んでいくのかもう少し観察を続けたいと思います。
播種から5か月目&発芽処理の再挑戦
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4月末に播種したトリステが大分大きくなったのでゆるぷさんのところのSSN鉢に植え替えました。
栽培環境はCOB式のLED下で夏の間ずっと室内で育てていて、朝8時から夜8時までの12時間照射、サキュレーターでの送風は15時間くらいなので結構用土が乾くのが早いです。
葉は沢山生えてますが少し伸び気味?という気もしますし、おそらくLEDが強過ぎるのが原因かな?
トリステを含めたペラルゴニウムの発芽管理について自分の中でベターな方法が変わったので、以下の記事をご覧いただければと思います。
上のインスタグラムの5枚目の写真を見ていただければわかるように、トリステも8割以上発芽したので、自分の中でのペラルゴニウムの発芽管理は「低温湿潤処理」にて今後行っていくと思います。
硬実処理は種子の外皮を傷つけるという点で少々リスクが高いことと、単純な発芽率を比べても低温湿潤処理の方が良いと判断しました。
まとめ
本記事はペラルゴニウム・トリステの実生栽培の経過を観察しまとめた記録です。
栽培状況に変化があり次第、不定期ではありますが経時的に更新していきますので、引き続きよろしくお願いいたします!
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