アガベは一生に1度や数十年に1度しか花芽をつけず、一度開花すると枯れるという話をよく聞きますが、市場にはかなり多くのアガベの種子が流通しています。
カキ仔を多くつけるアガベの品種ではカキ仔で増やされることが多いのですが、全くカキ仔をつけない品種もあるので種子から増やすしかありません。
私は基本的に実生しかしないので、現地球株やカキ仔で増えたアガベは持っていないのですが、それならばいっそできる限り多くの品種を実生で育ててみて、それぞれのアガベの特徴がどのあたりで出てくるのか経過を追ってみようと考えました。
アガベの各品種ごとの実生記録は別記事で作るとして、ここではまずアガベ実生2か月後の成長の様子を比較したいと思います。
Contents
- 実生2か月時点での成長を比較するアガベの品種
- 1.Agave horrida/アガベ・ホリダ
- 2.Agave parryi/アガベ・パリ―
- 3.Agave guadalajarana/アガベ・グアダラハラナ
- 4.Agave truncata/アガベ・トランカータ
- 5.Agave garciae-mendozae/アガベ・ガルシアメンドーサ
- 6.Agave utaensis nevadensis/アガベ・ユタエンシス・ネバデンシス
- 7.Agave macroacantha/アガベ・マクロアカンサ
- 8.Agave seemaniana/アガベ・シーマニアナ
- 9.Agave montana/アガベ・モンタナ
- 10.Agave verschaffeltii/アガベ・ベルシャフェルティ
- 11.Agave potatorum/アガベ・ポタトラム
- 12.Agave isthmensis/アガベ・イシスメンシス
- まとめ
実生2か月時点での成長を比較するアガベの品種
1.Agave horrida/アガベ・ホリダ
2.Agave parryi/アガベ・パリ―
3.Agave guadalajarana/アガベ・グアダラハラナ
4.Agave truncata/アガベ・トランカータ
5.Agave garciae-mendozae/アガベ・ガルシアメンドーサ
6.Agave utaensis nevadensis/アガベ・ユタエンシス・ネバデンシス
7.Agave macroacantha/アガベ・マクロアカンサ
8.Agave seemaniana/アガベ・シーマニアナ
9.Agave montana/アガベ・モンタナ
10.Agave verschaffeltii/アガベ・ベルシャフェルティ
11.Agave potatorum/アガベ・ポタトラム
12.Agave isthmensis/アガベ・イシスメンシス
我が家で現時点で実生期間が2か月に達したのが上記の12品種です。
(※12.イシスメンシスのみ1カ月半。その他も1~2週間程度播種のタイミングがずれているものがあります)
播種は4月中旬で、全て用土は「硬質赤玉土&日向土」で鉢底の方にわずかにマグァンプKを入れていて、室内LED照明下(12時間照射)で管理しています。
1.Agave horrida/アガベ・ホリダ
アガベホリダは細く締まった肉厚な本葉が上に向かってしっかりと立ち上がっているのが特徴的で、播種からわずか2か月でもホリダの特徴がしっかり見られます。
本葉は2~4枚まで展開していて、生育にバラつきはあるものの成長速度は他と比較しても中々早いです。
トゲの色も白く鋭いのがわかり、この2か月時点では他のアガベよりも「よりアガベらしい」という印象でした。
2.Agave parryi/アガベ・パリ―
アガベ・パリ―(名前のスペル間違ってますね・・・)は、ライムグリーンの明るい色で、この時点ではあまりトゲトゲしている印象はありません。
本葉の展開は2~3枚で、生長スピードは普通。
ツルっとしていてこの時点では、まだ「草」という感じですね。
3.Agave guadalajarana/アガベ・グアダラハラナ
育てているアガベの実生株の中で、最も本葉が幅広く大きいのが、このアガベ・グアダラハラナです。
ホリダのように細めでしっかりとした本葉が立ち上がっているのに対し、グアダラハラナは幅広&肉厚の葉がどんどん巨大化しています。
葉は幅広ですが肉厚でトゲもしっかりしています。ホリダとは違って葉が外側に丸まるのでトゲも外を向きます。
本葉展開は大体が3枚目が出かけているぐらいで、生長スピードはやや遅め。でも、これは本葉が大きく成長するの時間を割いているのが原因のようにも感じますので、必ずしも成長が遅いとは言い切れないかもしれませんね。
4.Agave truncata/アガベ・トランカータ
アガベ・トランカータは、先に紹介したパリーの一種で、実生2か月の段階ではほぼ違いが判らないほどソックリ。
大きくなればトゲの色や青白っぽい葉の色が特徴的なのですが、この段階ではわかりませんね。
本葉展開は2~3枚で、生長速度は普通くらい。
5.Agave garciae-mendozae/アガベ・ガルシアメンドーサ
アガベ・ガルシアメンドーサは、seedstockさんの発芽確認用種子としてサンプルで送られてきたものだったのですが、これまで育てた他のアガベに比べて種子もひときわ小さく、発芽した子葉・本葉共にかなり小さいです。
葉は肉厚で、なんとも言えない光沢があって自分では選びませんでしたが、なかなかどうしてカッコいいです。
本葉2枚目の段階でもそれらしいトゲを拝むことができました。トゲは赤く特徴的ですね。
発芽率はかなり高くてほとんどの種子が発芽したと思います。
本葉展開は2~3枚で、生長速度は普通。
6.Agave utaensis nevadensis/アガベ・ユタエンシス・ネバデンシス
アガベ・ユタエンシス・ネバデンシスは、2カ月強経過した時点では本葉展開は3枚くらいで、本来のシャープでトゲトゲした特徴はまだ見ることができません。
成長は遅めで、少し小柄な株が多いですね。
ネバデンシスは、大きくなった時のブルーがかった色味が好みなのですが、現時点では黄緑色。色の変化も途中であるんでしょうかね?気になります。
7.Agave macroacantha/アガベ・マクロアカンサ
アガベ・マクロアカンサは黒い棘とボールのように葉を展開するのが特徴的なアガベですが、この段階ではまだまだその特徴は見られません。
本葉の外側がやや赤みがかかった色をしている株が多いので、この段階ではそういう色味が普通なのでしょうか?
グアダラハラナほどではないにしろ、本葉がやや大きいのが特徴的で、横幅よりも縦に長く伸びている株が多いです。
成長速度はやや遅めな印象で、本葉展開は3枚目が出始めたくらいです。
8.Agave seemaniana/アガベ・シーマニアナ
アガベ・シーマニアナは播種がちょっと遅めの四月下旬だったので、丁度2か月経ったかどうかくらいなので本葉展開は2枚目までなのがほとんどですが、生長スピードは普通くらいかなという印象です。
既にシーマニアナの白っぽい色味の本葉が出てきているものがあり、もう少し待てば他のアガベと見比べても一目でわかるくらい色が変わっていきそうです。
トゲの鋭さはあまり感じさせず、本来の赤っぽいトゲの色になるにはもう少し時間が必要なようですね。
9.Agave montana/アガベ・モンタナ
アガベ・モンタナも播種からやや期間が短いので本葉展開は2枚までで、意外ともやしっ子のような細い葉を出しているものが多いのが意外でした。
他のアガベと比べても(育て方のせいかもしれませんが)、一番ひょろっと弱々しい感じがします。
モンタナ特有のイカツイ見た目になるにはまだまだ時間が必要そうです。
10.Agave verschaffeltii/アガベ・ベルシャフェルティ
アガベ・ベルシャフェルティはモンタナやシーマニアナと同時期に播種したので、2か月ちょうど経過したくらいで、本葉展開は3枚目が出始めたくらいです。
成長速度は普通で、このくらいの時期ではまだベルシャフェルティ特有のイカツイ漢字にはなっておらず、葉の厚みもどっちかと言えば薄めの印象。
私が個人的に一番成長を楽しみにしている品種なので、早くゴツくなって欲しいです。
11.Agave potatorum/アガベ・ポタトラム
アガベ・ポタトラムは生長は遅めで本葉展開は3枚目が出始めたくらい。
葉は肉厚でどっしりとしていてポタトラムっぽさはすでに感じます。
なかには1つの株から頭が2つ出てきたものもいて、生長が楽しみ。こういうのが出てくるのも実生の面白い所ですよね。
葉の棘の切れ込みの深さと間隔が他よりも大きいので、カッコよく育ってくれそうな予感がします。
12.Agave isthmensis/アガベ・イシスメンシス
アガベ・イシスメンシスは私がずっと欲しくて種子を探していた品種で、他の品種よりも後に見つけたので播種の時期が他よりも1か月ほど遅くなっているために、まだ発芽用用土の中で寄せ植え状態の時の写真を使っています。
播種から1ヶ月半で本葉展開が2枚目くらいなのですが、生長スピードは遅めの印象です。
イシスメンシスは、子葉の段階で他のアガベとは明らかに違う太さで肉厚。
まだ本葉が2枚目くらいしか出ていないのでトゲの様子ははっきりとはわかりませんが、もう少し時間が経過したら立派な棘がみれると思います。
まとめ
私が現在同時実生しているアガベ12種類の播種2か月目の生育状態を比較してみました。
ほぼ同じタイミングでの実生株の比較は、生育スピードや好不調の目安になるのでなかなか面白かったです。ただ写真撮るだけで2時間近くかかりましたけど。。
個人的な感想を最後にまとめます。
・早い段階からアガベらしいトゲトゲがみれるのは「ホリダ」「ガルシアメンドーサ」
・早い段階から大きく育つのは「グアダラハラナ」「マクロアカンサ」
・子葉の段階で他と違って極太なのが「イシスメンシス」
・つるっとしてるのが「パリー」「ネバデンシス」「トランカータ」「モンタナ」
あくまで私の生育環境と購入した種子(seedstockさん)での話なので、環境や種子が変わればこの私の感想も違っている可能性がありますが、どれも同じ環境で育てたことを考えると生育状態の比較なんかはおよそこんな感じで良いんじゃないかと思います。
これからアガベの実生をやってみようと思ってる方は、是非我が家の状態と比較してみて「こうやった方が大きく育つよ!」という方法があればぜひ教えてください!^^