ドルステニア・ギガス(Dorstenia gigas)は園芸好きの中では言わずと知れたドルステニアの王様で、ソコトラ島という島に飲み自生している希少な植物です。
私の目下の目標は「ドルステニアギガスを実生栽培して増やすこと」
ただドルステニアギガスはある程度の大きさの株にならないと花芽をつけず種子も採取できないので、まずは近い将来親株になれそうなギガスを探すところからスタートしました。
ドルステニアギガスを実生栽培で増やしている人は、日本にもそんなに多くないので流通数も少なく、出回ったとしても高額なのに一瞬で売り切れるほどです。
お金に糸目をつけないのであればCITESⅠの植物に比べて入手は容易かもしれませんが、それでもやっぱりお目当ての株を手に入れるにはそれなりに苦労しました。
本記事では、そんなドルステニアギガスの入手から日々の栽培についてご紹介していきます。
ドルステニア・ギガスの販売先や入手方法について
私が考えるドルステニア・ギガスの入手方法の中で現実的なものは以下のパターンだと思います。
- メルカリ
- ヤフオク
- eBay
- ドルステニア・ギガスの取り扱いのある園芸店
- 海外ナーセリーからの輸入
個人的に一番安価に購入できそうなのが「メルカリ」で、毎日メルカリを覗いてタイミングよく欲しい株が出品されたら購入するというのが現実的かなと思います。
ただ私は3か月ほど毎日メルカリでギガスを検索していましたが、自分が欲しいと思える株になかなか出会えずスルーし続ける日々。出品数もそんなに多くないので出会いは時の運。
出品数の多さで言えば「ヤフオク」や「eBay」ですが、オークション形式なので最終的には高額になりがちで、皆も狙ってるので確実に購入できるかといったらそうでないのも難しい所です。
また、我が家のある宮城県北のエリアにはドルステニア・ギガスの取り扱いのあるお店が皆無で、直接店舗で購入するのも難しく断念。
最終的に「海外ナーセリーから直輸入」という形で入手することができました。
ドルステニアギガスを販売している海外ナーセリー
私がドルステニア・ギガスを購入したのは「Le Jardin Naturel」というナーセリーです。
このナーセリーの位置をGoogle Mapで確認したら、とんでもない所から我が家に届いたんだなと長期間旅してきたギガスをいたわってあげたくなるくらいの場所に位置しています。
購入はユーロ、Paypal支払いで行い、2週間きっかりで届きました。(※検疫証明書の発行を依頼したので通常よりもプラス数日遅く届きましたが、検疫証明書を不要と購入時に選択すればもう少し早く届くかもしれません)
抜き苗で根元に湿らせたペーパータオルが巻き付けてあり、発送から10日ほどかけて到着しましたがまだしっかりと湿った状態でした。
ドルステニアギガスの相場|挿し木株と実生株
ドルステニアギガスは流通しているものの中では「実生株」「現地球株」「挿し木株」などがあります。
実生株は実生1年目くらいだと5000~7000円くらいが相場といった印象で、実生3~4年目の株や現地球株で3万円~5万円くらいだと思います。花芽をつけるくらいの大株だと10万円位するのも見かけますがかなりレアですね。
そんな中でも比較的安価に流通しているのが「挿し木株」です。
実は「ドルステニアギガスは挿し木でも太る」ので、もし実生株や現地球株が高価で手が出ない場合は、挿し木の株を視野に入れるといいかもしれません。
挿し木の株なら実生株や現地球株の3~4割引きくらいで売られています。
ドルステニアギガスの栽培記録
Le Jardin Naturelから届いたドルステニアギガスの栽培記録をまとめていきます。できることなら種子の自家採取と実生スタートができるところまではいきたいですね。
ドルステニアギガスの植え替え【2019/10/25】
いつまでも抜き苗のまま放置はできませんので、早速植え替えを行いました。
ドルステニアの植え替え用土(実生1~2年以上の株)の場合は、Soil主体で園芸軽石と砂を配合したものを使いました。

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植え替えから約5日ほどで、葉が全て落ちていた状態のギガスに動きがあり、徐々に葉が出始めました。
何とか無事に定着して根を動かしてくれているようです。
冬直前にやってきたので、当然寒さに弱いギガスは温室管理。ピカコーポレーションのガラス温室内で20℃以上で管理しています。

植え替えから2週間で葉が開いてきた【2019/11/16】
用土に植えつけてから2週間ほどガラス温室内で管理をして、ほぼすべての枝から葉が展開してきました。
季節的には落葉したまま春を迎えるのだと思いますが、東北の地ではドルステニアギガスが枯れないちょうどいい温度の室内もないのでこのまま温室で管理をします。
肉厚の葉がわさわさと生えてほぼ完全体に【2020/1/10】
温室内管理が約2ヶ月経過し、しっかりと定着&成長しているギガス。
用土や栽培環境は特に問題がないようで、鉢も大きめのものにしているせいか水切れを起こすこともなく順調に育っています。
それにしても成長がメチャ早い!2か月で主幹は3㎝伸びました。さすがギガス。
ドルステニアギガスの芯止め&挿し木で発根管理【2020/9/5】
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ギガスが届いてから約11ヵ月になり、成長が鈍化してきたと感じたので芯止めをして、剪定した主幹を挿し木にして発根管理をしてみました。
切断面を乾燥させてからルートンをまぶしてしばし静養。剪定翌日に用土に植えつけたのですが、この方法で1ヶ月以上発根しなかったので、その後サイド切断面をキレイにスライスして水耕栽培に切り替えることにしました。
幹部分は触ってもしっかりと固いので枯れているわけではないようですが、なかなか根が出てこない。ちょっと心配です。
ドルステニアギガス 栽培から1年【2020/10/12】
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ドルステニアギガスが我が家に届いてほぼ1年が経過しました。
届いた当初に比べると遥かに太くなっています。ただ、初めから比較的大きめの鉢に入れたこともあって、幹の太さ以上に枝が伸びてしまった印象。
私個人的には株の形とかよりも、大きく成長して花を咲かせて、自家受粉で種子が採れることが優先なので、親株として栄養たっぷりで育ってくれればOK!!
ひとまず1年経過したこともあって、何とか我が家の環境で育ってくれたことに感謝。あとは花芽が付けば最高なんですけどね。
ドルステニアギガスの花芽を発見【2020/10/30】
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花芽が付いたら嬉しいなと思っていた矢先に、花芽を発見。私の希望を聞いていてくれたのだろうか。
我が家に届いた時点でおそらく実生から4~5年位は経過していたであろうサイズだったので、我が家に来てから1年経ったことを考えると、おそらく少なくとも実生5年目くらいの株ではないかと推察します。
実際に実生してから何年目で花が咲いたという情報を調べても見つけられなかったので、もしかしたら実生3~4年で花をつけることもあるかもしれません。もし何年目で花が咲いたよーとか実体験で実生から開花までこぎつけた方がいましたら是非教えてください。
それにしても、よくよく見ると剪定した方の枝にも花芽がついている。発根の兆しが見えてるので、何とかこちらも頑張っている様子。
花芽の数は結構多いので、あとは無事開花して受粉作業~種子を採取まで上手くできればいいんですけどね。初めての花芽で自家受粉が成功するのかどうかはちょっと不明ですが、期待せざるを得ません。
自家受粉から自家採取の種子でドルステニアギガスの実生栽培ができれば、これ以上楽しいことはないです。次は開花に期待!!!
ドルステニアギガスの花がついに開花【2020/11/27】
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ドルステニアギガスの花がついに開きました。
花芽をつけていたのが切り落とした主幹と、それに近い2本の枝。それ以外の枝には花芽はまだない様子で、てっぺんに近い数本のみに花芽をつけてる様子。
最も多いもので、1つの枝に10以上の花芽がついていて少し開いてきているのですが、まだ周囲にしっかりとした葉が生えているおかげで、窮屈そうにつぶれた感じで咲いています。
一番開いてきている花には花粉もついてるので、交配できるか筆で触っています。
ドルステニアギガス 栽培から2年【2021/10/10】
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我が家にギガスを迎え入れてから丸2年が経過しました。
上のインスタの画像は9月中旬の物(1年11か月)ですが、かなり大きく育ってるのが分かると思います。
花芽はここ1年間ずっとつけていますが、自家受粉はほぼしないという話を聞いて、受粉作業は3~4ヶ月やって断念しました。その間一度も種をつけませんでした。
主幹を切断したため、この1年間は脇芽が少し増える程度で若干太くなった気がしますが、来た当初~1年間の成長に比べると花芽が付いた以外は大きな変化はありませんでした。
ドルステニアギガスの挿し木/枝挿しの方法と発根管理
挿し木管理の枝から根が出ないので再チャレンジ【2020/12/10】
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8月後半から始めた主幹切断後の挿し木管理の枝から発根しない。3回目のやり直し。
1回目は、切断後樹脂をふき取って乾燥させてルートンまぶして土に挿し1か月でやり直し。
2回目は、再切断後樹脂をふき取って乾燥させ、水耕栽培で水に挿して2か月半でやり直し。
今回の3回目は、ドルステニアの栽培方法でいつも参考にしているタイのナーセリーさんのYouTubeでギガスの挿し木の方法の動画がUPされてたのでそれを真似しました。具体的な方法は上記のInstagramに動画で載せています。
これまでとの変更点は、海外の発根を促す植物ホルモン剤を使った点(このホルモン剤については別記事で紹介します↓)

ホルモン剤を塗布した後乾燥させ、発根促進用に配合した用土に植えつけて発根を待ちます。3度目の正直、今度はうまくいくだろうか。
挿し木の管理方法をリセットしましたが、その時の方法(用土など)は下のインスタグラムをご覧ください。
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ドルステニアギガスの挿し木リセットから2か月で発根確認!【2012/2/12】
苦節挿木8か月。ようやく剪定したギガスの挿枝が発根したっぽい。前まで水も吸えずシワシワだったのが、膨れてきてる。多分根が出て水を吸えるようになったんだろう。変えたのは発根剤と用土。あと単純に少しだけ暖かくなってきたからかな? pic.twitter.com/dBwTWbCO6P
— 田舎センセイ (@inakasensei) February 12, 2021
発根材と用土を変えて2か月。明らかにシワシワだった幹に張りが戻り、葉が動き出してるっぽい。良かった、これでひとまず挿し木は成功といえそう。
これまで8カ月間かかってなかなか成功しなかったドルステニアギガスの枝挿し(挿し木)。
意識的に変えたのは「発根材(植物ホルモン剤)」と「用土」。あと違うといえば気温(室温)だけど、これに関していえば8か月の間にもっと暖かい日もあったのだから、発根材と用土の影響が大きかった(と思いたい)。
そしてさらに一か月後↓↓
挿木ギガス。完全に発根してくれた。
葉っぱ茂りまくって、シワシワだった樹皮もパンパンに張ってくれてる! pic.twitter.com/J3XZrzdlGu— 田舎センセイ (@inakasensei) March 5, 2021
ギガス挿し木丸1年経過【2021/10/10】
挿木ギガス。挿して丸一年経過(最初の半年は発根せず)
そこそこ太くなってきた挿木ギガス!親株が最初に我が家にやってきた時と同じくらいのサイズになってる!! pic.twitter.com/VIOXKFjCgx
— 田舎センセイ (@inakasensei) October 10, 2021
おそらく発根してから約8ヵ月。大分太くなりました。
親株の切断面と比べても倍近く太さに変化があり、挿し木でも十分に太るという話は本当のようです。
ドルステニアギガスの種をまく!実生栽培の管理方法と経過の記録
ドルステニアギガスの実生栽培開始
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本来は自分のギガスの親木から採れた種子で実生を開始するつもりでしたが、Koehres社でドルステニアギガスの種子の販売があり、SNSのフォロワーさんより数粒譲っていただけたので図らずもギガスの実生を開始しました。
用土や発根までの経過は上のインスタグラムの投稿で詳しく書いています。
基本的に高温で発芽するので、温室内で最低でも20℃は下回らないようにして腰水で管理。最終的に18日で一つ目の発芽を確認できました。
最低気温を申すこち高めに設定すれば発芽はもう少し早まったかなと思ったりもしたのですが、私に種を譲ってくださった方は私よりも最低気温がやや高い25℃以上の環境で管理していてほぼ同じ日数で発芽されていたとのことだったので、やはりギガスの発芽は2週間から3週間はかかるようです。
実生栽培開始から5か月【2021/7/15】
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実生ギガス、播種から5か月。 脇芽が多いですが根に近い部分はしっかりと太ってきていてそれらしくなってきています。実生株でもそれなりに丈夫で水をよく好むので、腰水管理をやめた後も表土が乾いたら水をあげるくらいの頻度で育てています。
実生開始から7か月 一回り大きな鉢に植え替え【2021/9/15】
播種から7か月経過。いい感じで太ってきたので大きめの鉢に植え替えることにしました。
根はご覧の通り細い根がびっしり生えているような感じで、地上部の太さに比べて根は心もとない感じです。
安定感を出すために深めの鉢に植えこんでいますが、根はそれほど強靭じゃないので植え替えるときに先端部分は切れたりしやすいです。
また、ご覧の通り我が家で使っている土は砂とピートベースの軽くて細かな土。ここに細かな園芸軽石を混ぜ込んでいます。経験上、軽めでフカフカの土の方が調子が良い気がします。
大きめの硬い粒の土が沢山あると細い根があまり伸びないような気がしていて、砂やピートがメインにすることで裾野を広げるように根を伸ばしてくれているのではないでしょうか。
播種後7か月の段階でサイズはこんな感じです。
海外実生株と受粉させたいので、こちらの子たちが早く花芽をつけてくれるといいなと思いつつ、その日を待ちます♪
まとめ
本記事ではドルステニアギガスを自宅で栽培し、種子の自家採取~実生栽培を目的に栽培記録を定期的に更新していく予定です。
我が家で栽培したドルステニアギガスの実生株を当サイトで販売できるようになるまで、頑張って育てていきたいと思いますので是非経過を見守っていてくださいね。