こんにちは、金成コーデックスです。
ビニールハウスを自宅敷地内の休耕田に建てることが決まり、ハウス部材の見積もりをとりました。実際に必要な部材が届くまでに、建設予定地がそこそこな「傾斜地」なのでそこの整地などを先にしておくことにしました。
本記事では建設前の大切な下準備についてまとめます。
Contents
傾斜地にビニールハウスを建設する時のメリット&デメリット
まずそもそも普通ビニールハウスはある程度平坦な土地に建てることが多いです。
もちろん果樹栽培などで斜面に建てることも無くは無いですが、傾斜地にビニールハウスを建てる場合は平地に建てる時とは様々な面で、建設条件や注意することが違ってきます。
我が家はスマホアプリでおおよその勾配を測ったら、斜度5~7度の範囲であることが分かりました。
真砂土であれば2トン車1台分で4000円位で購入できるので、値段自体はそんなに高くないので、当初は土を購入して平坦にしてからハウスを建てようと考えていたのですが、いくつかの点で「ちょっと土を盛るのは難しそう」という事になり、頭を悩ませていました。
①30坪のハウスを建てるに足る分の土がかなりの量になりそう
②建設予定地にトラックが入ってこれない
③盛り土した場合、地面を固めないと強度が落ちそう
主に上記の3点が問題点として挙がり、一番ネックになったのは②の建設予定地の自宅敷地内にトラックが入り込めないため、もし少し離れた場所に土を下ろしてもらったとしても自分たちで何十往復もして離れたところに土を運び込まなくてはならないことが想定されました。しかも土を下ろしてもらう場所なんてない。
こう悩んでいる時に、Twitterですごく親切に助言して下さる方がいました。
実は傾斜地に建てると、引き抜き効果で夏の高温を軽減できたりします。農パイでも、ユニクロスみたいな自在金具を使用すると傾斜地に建てられますよ。
ただ、内部は段々に水平取らないと植木鉢が転がって落ちていきますね😇— カッコー@セダムドラマー (@Kakteen_Cuckoo) October 24, 2021
今ではおかげさまで種子の共同輸入をさせてもらったり、何かある時に色々ご相談させてもらったりしていますが、土を持って平坦にしなくてはいけないと思い込んでいた私に「傾斜地は傾斜地なりのメリットがあるよ」と言ってもらい、「そうか、別に斜めのまま建てたっていいんだ」と目から鱗だったんです。
- 高低差を利用してハウス内の夏の高温の軽減や冬の寒さ対策ができる
- 外気温とハウス内温度の調節が平坦地ハウスに比べて早い
- ハウス内部の場所ごと(低い場所と高い場所)で環境に違いを出せる
- 盛り土をしなくていい
- ハウス上部の妻面を開放すれば空気の流れができる
- 雪害に弱くなる
- 平坦地ハウス用の金具では対応できないことがある
- 土地の丁張(ちょうはり)などをしっかりしないと歪んだハウスが出来上がる
- ハウス内部の棚も傾斜地用に工夫しないと鉢が転がる
- ハウス内部の移動が大変
- 水の上げ下げが大変
ざっとあげても上記のようなメリット、デメリットが考えられました。
ただ、色々とアドバイスをくださったカッコーさんのおかげで、傾斜地建設の可能性を知り、土を盛る作業とその困難なポイントがクリアできるので、デメリットは何とか対策できる範囲と考えて斜面に建てることにしました。
斜度・勾配の測定|アプリ/オートレベルを使った方法
勾配や傾斜が測れるスマホアプリで大まかな測定
横から見た大まかな傾斜を測るだけでしたら以下のようなアプリで測定ができます。
最初は建設予定地の斜度を聞かれた時に「大体20度くらい」という適当な事を体感で言っていましたが、実際スキーを滑るにしても斜度20度っていうのは超上級者向けのコースになりますよね、、斜度って実はしっかり測らないと分からないと気付かされました。
おそらく最大傾斜で20~25°位だと思います。ユニクロスは30℃までとありましたのでそこの確認は必須ですね。傾斜があったために一番立地(日当たりや井戸からの距離)が良かった場所をあきらめようとしていたので、どちらかというと傾斜のデメリットは特に気にならないです♪
— 田舎センセイ (@inakasensei) October 24, 2021
実際に上のアプリで測ったら斜度5-7度と出たので、私の回答にカッコーさんは「そんなに急なの?」と思ったでしょうね。すみません、、
まぁ、なんとなくの勾配はこのアプリで測ることができますが、あくまでなんとなくです。
建設予定地は縦にも横にも斜めになっていて、基準点を決めてある程度正確に「どこどこが何センチ高い、低い」みたいなものを出さないとハウスが建てられないので「オートレベル」という測量で使う機械を知り合いにお借りして「レベル出し」という作業をやることにしました。
オートレベルを使って正確に勾配・水平・レベルを計測する
家族の知り合いの農業法人の社長さんが自社でハウスを建てる時に使ってる道具を貸して下さるとのことで、素人ながら見様見真似で「オートレベル」という機械を使って建設予定地の勾配とレベル出しをすることにしました。
最も安価に正確な水平を出す方法は、おそらく「水とチューブを使った方法」だと思いますが「使えるものは使う!」という事で、ハイテク機器に頼ることにします!笑
※水とチューブを使った水平の出し方はご自分で調べてみてくださいね
今回貸していただいたのは、上記のNikonのオートレベルと専用の三脚とアルミ製のメモリがついた長い定規みたいな棒。
まずは基準点を決めます。
今回はオートレベルをビニールハウス建設予定地のど真ん中に設置し、ビニールハウスの4隅と傾斜の中央地点に当たる位置の両サイドに杭を計6本さし込みました。
中央のオートレベルを水平に設置し、それぞれの杭の位置に目盛りを持った妻に立ってもらって各地点での高さを測りました。
こうやって各地点に目盛りを持ってもらって、水平のオートレベルをぐるっと回転しながら各地点の高さを測ります。
そうすることで「各地点の高さの差」を知ることができます。
この数字の理解がちょっとだけややこしいのですが、基準点のオートレベルの機械の位置から水平にぐるっと印をつけた時に、その水平となる位置が地面からどのくらいの高さにあるかを見ることで、高い位置、低い位置が分かります。
我が家の建設予定地で測定した結果は、以下のようになりました。
例えば、上の2点は「18㎝」と「21㎝」だったので、左側の18㎝となっている方が、21㎝とでた右側の杭よりも3㎝“高い”という事になります。妻が持ってる目盛りは地面にしっかり立ててるので、数字が小さい方が高い方に比べて高いことになります。
水平のラインをオートレベルで測定した時に、高い方の地面が数値上では小さくなるのは上の画像のような理由です。この場合は左の方が右に比べて15㎝高いので、右に土を盛るか左を削るなどして左右をそろえることができます。
我が家の建設予定地の話に戻ると、妻面の左右差が少ないのは良かったです。
中央部分の左側がややえぐれる形で低くなっているので、そこにはいくらか土を盛る必要がありそうということも分かりました。
また、奥行き15mでの高低差は181cm-21cmで約160cmとなっていて、これを計算すると勾配9%(斜度は5度)という事になりました。
勾配(%)=垂直距離X100/水平距離
最初にアプリで測った大体の斜度はそんなに間違ってなかったようですね。ただ、あのアプリだと各地点の高さの差などを出すのがかなり難しいですが、オートレベルを用いることで正確に測定することができました。
オートレベルを購入すると高いですが、機器のレンタルなどができるならこれを使った方が後々のことを考えるとスムーズだと思います。
地面の高さの差を確認したらある程度左右差を無くすように整地をして、整地が終わったら各杭の地面から約20㎝の所に印をつけて水糸を張りました。
まとめ
本記事では「傾斜地にもハウスを建てられる」と知ってから、傾斜を活かしつつ建てるための準備として、レベル出しや整地までの工程をまとめました。
個人的には、素人が建てるにはいきなり傾斜地でのビニールハウス建設はハードルが高いだろうと周囲からご指摘をいただきましたが、その分機器を貸していただいたりSNSで助言をいただけて「なんとかやってみよう」という風に思えたのですごく楽しいです。
幸いそこまで雪が沢山降る地域ではないのですが、雪害にも耐えられるように建設準備段階でのレベル出しなどを機器を借りて正確にできたことは良かったです。
そもそも完全に水平な土地というのもなかなかないので、もし道具が使えるのであれば建設前にレベル出しをすると良いかもしれませんね。