パキポディウム・ウィンゾリー(Pachypodium windsorii)は、数あるパキポディウムの中でもトップクラスの人気と希少価値を持ったマダガスカル産のパキポディウムです。
ウィンゾリーはパキポディウム・バロニーの変異種で、バロニーと同じく赤花でCITESⅠに分類されています。バロニーよりも塊根が太りやすく分枝もしやすいので人気なんですよね。
本記事では我が家のウィンゾリーの実生栽培の経過をご紹介します。
パキポディウム・ウィンゾリーの種をまく~発芽
【発芽率】 約80%
【発芽観測】播種から5~10日後
【用土】 硬質赤玉土:バーミキュライト=1:1
【播種】 4月上旬
冒頭でご紹介しているバロニーの発芽条件とほぼ一緒で、通常のパキポディウムの発芽環境よりは少し温度を高めに設定して、ある程度腰水で2~3日管理したら蓋は外して蒸れすぎないようにすることで発芽が上手くいきやすくなりました。
ウィンゾリーの発芽は2回トライして、いずれもほぼ8割くらいの発芽率です。
基本的なパキポディウムの発芽方法は下の記事でご紹介しているのであわせてご覧いただきたいのですが、グラキリスなどに比べると発芽までやや時間がかかる気がしています。
発芽するまで大体4~5日くらいで、腰水で底面給水する時もあまりひたひたにならないようにした方が良いと思います。蓋は早めに外した方が成績が良いですね、今の所。
播種から2か月
播種から1か月ちょっとして本葉が4枚ほど出た時点で個別に鉢上げをしました。
用土は「硬質赤玉土&日向土&ゼオライト」で、ゼオライトは鉢底石代わりに使い、日向土と赤玉土は1:1で使っています。
ゼオライトは鉢内湿度が高すぎるときは水分を排出し、逆に乾燥してると吸湿して湿度を保ってくれるバランス役を担うので重宝しています。
上で紹介しているゼオライトは大きめのものなので私は鉢底石代わりに使っていますが、水槽のろ過材などで使われるような細かいゼオライトなら用土に混ぜ込んでも効果があると思います。
エブルネウムやグラキリスなどに比べると成長は早く、徒長してるように感じますがぐんぐん伸びていきます。
日光の方に向かって曲がってしまうので、定期的に鉢の向きを回転させています。
実生3か月
前回から本葉の数も少し増え、表皮が少しひび割れているような模様が出てきました。
天気があまり良くない日が続いたこともあって、LED照明での管理が半分、残りの半分は午前中によく日があたる廊下の窓際において管理しました。
水やりの頻度は週に1回程度に抑えていましたが、成長期に入り株が動き出した様子を見てからは週に2回の水やり&うち1回は液肥という風に変更しています。
実生4か月
実生4か月目に入り、7月後半~8月はほぼ終日屋外での管理(午後は遮光50%あり)で育てるようにしました。
8月に入ってからの成長が著しく、ちょっと葉を大きくさせ過ぎな気もしなくないですが、全体的に順調に大きく育ってくれていると思います。
この時期は3日に1回は水やりを行い、1回おきに希釈した液肥を与えています。
ウィンゾリーなのかバロニーなのか問題
※一応、右がバロニー、左がウィンゾリー
ただ正直、この時点まで育ててバロニーとウィンゾリーの違いがまだ表れていないので、このウィンゾリーが正真正銘ウィンゾリーなのかはまだわかりません。
聞くところによると、ウィンゾリーの種子として流通してるものの多くがバロニー&ウィンゾリー(交配種)だったり、場合によってはほぼ完全バロニーだったりするようなのですよね。
まぁ、バロニーもCITES1でほぼ手に入らないような貴重な植物ですし、遺伝子情報まで調べることは不可能なので、どの程度純血のウィンゾリーなのかは誰もわからないんですけどね。
ある程度の鑑別がつくのはやはり「花が咲いてから」で、一般的には花弁の形をみてヒダヒダがあって花弁の縁が波打っているのがバロニー、丸い花びらで縁がまっすぐなのがウィンゾリーと言われています。
まとめ
現在までのパキポディウム・ウィンゾリーの実生栽培記録についてまとめました。
成長に変化がみられたら随時更新していきます。