こんにちは、金成コーデックスです。
我が家では数多くの塊根性のチレコドンをそだてていますが、本来は休眠期間中である夏場に室内で適当に管理していた株などが徒長し、だらしなくなってしまっておりました。
ひと思いに剪定し切り戻しをしたいと思ったのですが、せっかくなので切断後の活着率などについて実験をしてみようと思い立ちました。
本記事では、Tylecodon reticulatus(万物想)とTylecodon grandiflorus(砂夜叉姫)の実生株の剪定、および挿し木後の活着率などについて実験した結果をまとめます。
チレコドンの挿し木は成功するのか?実験
まず、私は過去にチレコドン・レティキュラーツス(万物想)の挿し木自体は行った経験があり、剪定した後に用土に刺して管理することで発根、その後の芽吹きまで確認していました。
ですので、チレコドン自体が挿し木が可能であることは知っています。
ただし、細かな工程や過程の観察等をしたことがなかったので後学のためにまとめておこうと思った次第です。
今回はTylecodon reticulatusとTylecodon grandiflorusの2種類のチレコドンについて、剪定して観察してみる異にします。
チレコドンの剪定をする
上記の画像は徒長しまくったチレコドン砂夜叉姫。
頭部分が見切れてますが、基部、中部、頭部という感じで3つに切り分けました。
切断はカッターで行い、切断後は断面がしっかり乾燥するように注意しながら3日ほど待ちました。
チレコドンの場合は剪定後の断面からユーフォルビアやドルステニアのような乳白色の樹液などは出てこないので、特にカルス形成を補うような「トップジンMペースト」のような殺菌剤は塗布しませんでした。
ちなみにトップジンMペーストはカルス形成に役立つ殺菌剤なので、そこそこ大容量で結構持つのでよく剪定する方は一本あると便利かもしれません。カルスを形成するのを助ける薬品については以下の記事でも解説していますが、中には木工用ボンドなどと大差ないような商品もあるので、おすすめはこのトップジンMペーストです。
剪定後の切り口が乾燥したら土に刺す
剪定をして2~3日で切り口が乾燥して上の写真のようにしぼんできます。
これは砂夜叉姫(Tylecodon grandiflorus)の切断面ですが、赤い新芽(葉)が出てきているのがお分かりになるでしょうか?
先端部分と株元の2つに剪定し分けたreticulatusの方も、先端部分の切断面が乾いてから土に刺して数日で新しい葉が動き出してます。
土に刺すときに切断面が乾燥していないと、そこから菌が入るなどして腐ってしまうことがあるのでしっかりと乾燥させてから刺すのが好ましいです。
また、今回発根を促すためにルートンを切断面に塗布しています。
なくてもいいかもしれませんが、個人的にはおまじない的に使っています。
チレコドンはある程度の強剪定も耐えられる
今回、万物想と砂夜叉姫を剪定してみてわかったのはチレコドン(他品種も同じかわからないので現時点ではこの2品種に関して)は剪定後の活着率はすごく良かったです。
- 万物想 先端部 :ルートン塗布して3日乾燥後、用土に刺し3~4日で葉が動きだす
- 万物想 株元 :剪定後数日で切断面が乾燥、その翌日に切断面から新葉がでる
- 砂夜叉姫 先端部:ルートン塗布して3日乾燥後、2~3日で葉が動き出す
- 砂夜叉姫 中部 :ルートン塗布して3日乾燥後、5日で葉が動き出す
- 砂夜叉姫 株元 :剪定後数日で切断面が乾燥、その3日後に切断面から新葉が出る
上記のような結果になりました。
ただ葉が動き出してはいますが、剪定して土に刺したものに関してはまだ発根自体はしていないと思います。
根がなくても吸水したり、株そのものの水分で葉が動き出すことはよくあるので、発根の具合については追って数か月後に確認してみたいと思います。
まとめ
本記事では徒長したチレコドン万物想と砂夜叉姫で剪定、挿し木の実験をした結果をご紹介しました。
この結果はある程度徒長してしまっても切り戻しをすることができるというのが分かったのは良かったですが、すべてのチレコドンにおいて同様の結果になるということではないので注意いただきたいです。