こんにちは、金成コーデックスです。
前回までの記事では、アーチパイプを組んで棟部分と肩部分の直管パイプを通すところまでを解説しました。
前回までの記事はこちら↓
・素人園芸家のビニールハウス建設記録|温室DIYの準備・見積もり・助成金の話【vol.1】
・傾斜地ビニールハウス建設の方法と準備|レベルの測定と整地の方法【vol.2】
・ビニールハウスの価格について|自作する際の制作費用と各部材の値段【vol.3】
・ビニールハウスの骨組みを作る|アーチパイプと直管パイプを繋ぐまでの流れ【vol.4】
ようやくトンネルのような形が出来上がりましたが、手でゆするとまだまだぐらつく状態です。
本記事では、直管パイプをしならせながら番線で固定する「筋交い」の補強と、ビニールを留めるためのビニペットレールの設置についてまとめます。
Contents
ビニールハウスの補強に関する選択|補強パイプ & 筋交い
ビニールハウスを建設するときには、建設する地域が「台風が多い」「積雪がある」などの条件によって求められる補強の度合いが異なります。
我が家のある宮城県北部の地域は積雪はさほど多くありませんが、毎年必ず数センチは積もるくらいは降るのと、ひらけた場所にあるので風の対策も必要です。
まずは標準的なハウスを建設しつつ、補強パイプはあとで追加することとして、まずは直管パイプをしならせて補強する「筋交い」を入れていくことにしました。
※筋交いは妻面方向への倒壊に対する補強効果はありますが、横方向への補強効果はないのでタイバーなどの補強は別途必要だと考えています。この補強に関してはハウス完成後追加して行う予定です。
★参考→ 京都府 園芸ハウス台風対策マニュアル
筋交いの設置は最低限必要として、他にもタイバーや方丈と呼ばれる横方向への補強は追加予定で、他にも冬に向けては棟部分につっかえ棒のようにしてパイプを設置する予定でいます。
筋交いを設置する|番線で固定する方法
筋交いは直管パイプを繋いで長くして、それを妻面棟部分からぐぐーっとしならせて補強する方法です。
ハウス建設に詳しい方に聞いたら、ビニペットレールを設置する前に筋交いを設置したほうがいいよということでした。
アーチパイプへの端部の接続はユニバーサルジョイントを使い、それ以外の途中地点は番線で固定していきました。
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番線はホームセンターで売ってる最初から輪っかができてるものを使いました。
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番線の締め方は何通りかあるのですが、滑りやすいパイプを固定するということでよりしっかり閉まるような方法を選びました。(番線の締め方については本職の方が沢山Youtubeに動画を投稿しているので、映像で確認しておぼえたほうがいいと思いますのでここでは割愛します。)
筋交いをしならせるのにはかなり筋力を使うので、しならせながら番線で固定するのはなかなか骨が折れました。
レンチの端っこについている「シノ」と呼ばれる部分で締め上げていきました。
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これを両方の妻面から2本ずつ、計4本設置。
筋交いに使った直管パイプは5.4m(22mm径)のを2本つないで10.8mにしたものを使いました。
奥行きが18m(10間)のハウスだと、ちょうど真ん中あたりで2m分くらい交差するようになりますが、地面に差し込むほどの長さはないので地面に差し込んでより強固にしたい場合はもう少し長さを足したほうがいいでしょう。
ビニペットレールをハウス側部に設置する
ビニペットレールとは?
ビニペットレールはビニールを張る際に被覆スプリングを使って固定するためのものです。
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私が今回仕様書なしでビニールハウスを建てるのに一番頭を悩ませたのが、この「ビニペットレールをどの間隔で設置したらいいのか」という点でした。 ビニールハウス建設に関する動画や記事を読んでも「設置間隔は仕様書に準じて行って下さい」という解説しかなかったのです。
それもそのはずで、私はハウスの規模や用意されたビニールによってビニペットレールをどこに設置すべきかが変わるという肝心なことを理解していなかったんですね。詳しい方に相談したら「まず用意されたビニールのサイズを教えて下さい」と言われ、ささっとビニペットレールを設置すべき位置をペンで書いて教えてくれました。
ビニペットレールの設置は基本的に仕様書に順次て行うが、仕様書がない場合は用意されたビニールのサイズから設置場所を計算しよう!
ビニペットレールの設置場所はどこ?
我が家のケースでのビニペットレールの設置についてになりますが、用意されたビニールの寸法が、
①屋根 :7M×22M
②サイド:1.5M×36M
③妻面 :1.85M×16M
④裾張り:0.75M×55M
の4つでした。
ビニールは実際には下のほうから留めていくので④>③>②>①の順で使います。
サイドのビニペットレールは3段設置しますが、下から
■1段目:地面から5cm
■2段目:地面から50cm
■3段目:肩パイプのすぐ下
に設置することにしました。
1段目のビニペットレールは地面になるべく近いほうがいいと教えていただきましたが、我が家の土壌が粘土質で水はけがものすごく悪くサビやすそうだということで、若干地面から離した位置。
2段目は、裾ビニールの幅が0.75M⁽75㎝⁾ということで、地面に約20㎝埋め込むことを考えて50cmの位置。
3段目は、屋根ビニールの幅7M から計算して、展張して屋根ビニールを留めるときにしっかりと確実に届くように、アーチパイプの棟から肩部分までの長さから計算しました。
なお、被覆スプリングでビニールを引っ張りながら留めますが、ビニペットレールの内部に引っ張り込まれる分ビニールが想定よりも足りない(ビニペットレールのところまで届かない)ことがあるので、あまりギリギリになりすぎないようにビニペットレールの位置を決めた方が良さそうです。(※裾ビニール幅75cmで20cm地中に埋めるのに、レールの位置が地面から50cmであることに関して)
ビニペットレールは切断する必要がある|金切鋸やグラインダーの用意
ビニペットレールは設置場所に応じて切断して長さを調節する必要があります。
ビニペットレールの端部に金具₍外ジョイント₎を付けてアーチパイプに接続するのですが、ミリ単位で長さを調節する必要が出てくるので、グラインダーや金鋸を用意しておきましょう。
あらかじめホームセンターで切ってもらうのは、微調整ができないので現場でその都度印をつけたりしながら切断する方が確実です。
上の写真のように、ビニペットレールの端部にハンマーで金具を打ち込み、アーチパイプのほうには輪っか状になった金具を付けて、ねじ穴を合わせて留めるため結構細かな長さの調節が必要になります。金具の打ち込みの深さで調節をすることも可能ですが、目視で調節するのでやはり現場での微調整が必要です。
工具の貸し出しをしているところから借りてもいいですが、後ほど妻面のパイプを垂直に立てる工程でも切断する必要があるので結構切断工具の出番が多く、自前であると便利ですね。
この画像は妻が22㎜の直管パイプを金鋸で切っているところですが、半分くらい切った後に折り曲げればポキッと切断できるので、まぁまぁ大変ですが女性でも切断可能です。
ビニペットレールの場合は、横から見るとカタカナの「ム」のような形になっていますが、スプリングをはめ込む部分を切断できればグニャグニャを曲げると金属疲労で結構簡単に折れます。
そのため、グラインダーのような高価な工具でなくても、ホームセンターにある比較的安価な金鋸で十分使えます。
我が家のケースでは、ノコギリの刃が欠けて一度だけ付け替えをしたので、刃を交換可能な糸鋸のようなタイプの金鋸をお勧めします。替え刃も1~2本あるといいかもしれませんね!
アーチパイプとビニペットレールの接続|金具 or ビス留め
通常、平地にハウスを建設する場合はビニペットレールをアーチパイプと垂直に接続する金具があるのですが、我が家は斜面に建てるのでアーチパイプとビニペットレースが垂直に交差しないため「ビス留め」で固定しました。
電動ドライバーがあればさほど大変ではないのですが、注意点としてはビス留めの際に₍写真にも映り込んでますが₎ビニペットレースの削りカスがレールにたまります。これが原因でサビが発生してビニールの劣化を早めることにつながりやすいので、電動ドライバーの先端₍磁石になってる₎でくっつけて取り除くようにするといいです。
まとめ
本記事では筋交いによる補強とビニペットレールの設置に関して解説いたしました。
ビニペットレールの設置場所に関しては、どこに付けるという決まりはなく、自分が張る予定のビニールのサイズから逆算して位置決めをするというのが盲点でした。
ビニペットレールの設置位置や筋交いの設置方法などについて、数名の経験者さんから助言をいただき何とか設置することができましたが、全くの素人がやる作業としては必要な前情報が多い工程だったなと思います。
必要な工具も多いのですが、体力でカバーできれば電動工具に頼らなくても比較的安価に済ませることができるので予算と体力と相談しつつ準備をしましょう!