こんにちは、金成コーデックスです。
最近では絵ばかり描いているので中々栽培に関する記事が書けていなかったのですが、気が付いたら実生1年半を経過したアガベ・イシスメンシスの成長度合いにものすごい差が出ていたので、簡単に栽培環境と育て方で成長度合いを比較した記事を書こうと思います。
あくまで我が家の事例ですので、大きく成長している方法をとれば同じ期間で同じだけ大きくなるというわけではないと思います、参考までにご覧いただければと思います。
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今回比較する品種とそれぞれの環境
今回比較する品種「アガベ・イシスメンシス」
今回比較する品種は「アガベ・イシスメンシス/agave isthmensis」です。
葉が厚くなり、成長が比較的遅い(初期段階では葉が極端に大きくならない)タイプだと認識してます。寒さにもあまり強くないので東北にある我が家では秋口からの室内栽培は必須。
比較的人気のある品種だと思います。
比較する我が家の実生株「アガベA」と「アガベB」
※右の大きい方がアガベA、左の小さい方がアガベB
ここでは便宜的に、手をかけて育てた方を「アガベA」、放置していた方を「アガベB」と呼ぶことにします。
どちらも2019年の4月中旬に播種したもので、種子の購入先も同じです。どちらも種蒔いてからちょうど1年半。1年半でこれだけ差が出るの?と思って貰えたなら成功です(なにが?)
私がアガベAを唯一室内栽培に移したのは、小さいサイズの時の形が好みだったという理由のみで、特に栽培環境を分けた理由は他にありません。
アガベAは一つのみですが、アガベBのようなサイズのイシスメンシスは我が家にあと5~6個あります。つまり、めっちゃいい栽培環境を用意したのが1つ、それ以外が5~6個あるという感じでしょうか。アガベBは正直ここでお見せした株以外でも同じようなものですので、極端にアガベBの成長が遅いわけではないと思います。
栽培環境の違い
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栽培環境に関しては、以下の通りです。(※ここでご紹介する我が家で使っている栽培器具は後述します)
- 場所:一年中室内&ガラス温室(ピカコーポレイション)
- 光 :COBライト照射(朝8時~夜8時)
- 送風:温室内で24時間小型ファンを使用
- 年間温度:15~28℃
- 加温:冬のみ:昭和精機工業のヒーター(250w)
- 用土:赤玉+日向土+ゼオライト
- 水やり:土が乾いたら鉢底から出るまでたっぷり
- 施肥:常識の範囲内で適宜
- 植え替え:成長に合わせて適宜(この株は3回植え替え済み)
- 場所:春~秋まで屋外、冬は廊下(最低で5℃前後)
- 光 :日光のみ
- 送風:自然の風のみ。冬季室内栽培時では特になし
- 年間温度:5~34℃(夏の直射日光もあたるため)
- 加温:特になし
- 用土:赤玉+日向土+ゼオライト
- 水やり:半分自然任せ(雨)、土が乾いたら夏季は水やり
- 施肥:常識の範囲内で適宜
- 植え替え:放置気味(この株は1回植え替え済み)
基本的にアガベB(放置気味)は、あくまで自然任せで屋外に置いて水やりは雨まかせ、夏季はすぐに乾くので1日おき位に水やりすることもあれば、雨が続けは放置していました。
屋外放置なので、光は晴れた日の日光がありますが雨や曇りなら光は弱いです。温度も寒暖の差は室内栽培の方に比べて差が大きく、めちゃくちゃ暑くなる時もあれば冬は5℃位まで下がります。
アガベは鉢のサイズに合わせて大きくなりやすいですが、基本的に両方とも成長に合わせて鉢のサイズUPをしています。ただ、室内栽培のアガベAはどんどん大きくなってたので植え替え回数は3回、放置のアガベBは1回のみの植え替えにとどまっています。
何がここまで生長の度合いを分けたのか
- 常時安定した室温(加温アリで冬も成長する)
- 24時間の送風
- 毎日一定時間以上照射されるLED光
- 使ってるライトがCOB式の強いやつ
- 鉢増しの頻度が多い
- 必然的に土が乾くので水やり頻度も増える
私が思うのは上の6つのポイントです。
寒さに比較的強いアガベといえど寒くなれば休眠するので、室内温室で常時夏と同じ環境を用意していれば成長に差は出ます。
24時間の送風は、風が常時当たることで植物がストレスを感じて成長ホルモンを出すので太くなりやすいです。(※風が強い自生地の株が太いのは風の影響が大きいと思っていて、よく植物に話しかけると大きくなるという話も、植物に話しかけるような人は頻繁に植物を触るので植物がストレスを感じやすい(=成長ホルモンを出す)というのが理由と言われています)
他には、天候に左右されず常時強い光を当てていること、LEDライトも私が効果が高いと思っているCOB式の物だというのもある程度影響はあると思います。
上記の条件を整えると、必然的に土の乾き具合に差が出るので温室栽培のアガベAの水やり頻度はアガベBに比べて倍くらい多かったと思います。ただし、アガベBは梅雨時は毎日のように水が降っていたことを考えると、「土が乾いてからの水やり」というメリハリに乏しかったのが生育状態を分けたポイントかもしれません。
最後に、アガベは鉢をデカくするとデカくなります。逆に締まったコンパクトな株にしたい場合は、鉢をあまりで隠せずに育てればいいわけです。もしアガベBを最初からアガベAと同じくらい大きな鉢で育てていたらどうなっていたかはちょっとわかりませんが、場所をとりすぎるので現実的ではないかもしれません。
アガベAの栽培で使った栽培器具
COB式のLEDライト
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私が使っているLEDは色々ありますが、一番効果があって温室内に設置しているのが上記のLEDライトです。
COB式というのは「チップ・オン・ボード」の頭文字で、よくLED本体に小さなLEDが複数ハンダ付けされているものはSMD式(表面実装)として区別されています。
植物栽培用LEDについては以下の記事でも詳しくまとめていますので、そちらを読んでいただけますともう少し分かりやすいと思います。おすすめ記事は下の2つ。
園芸用ヒーター
おそらく園芸用ヒーターを探したら「昭和精機工業」のヒーターが出てくると思います。
私が使っているのは250Wと150Wのもので、温度が上がり過ぎないようにサーモスタット付きのものを購入して使っています。
ガラス温室
ガラス温室に関しては「ピカコーポレイション」のものを使っているのですが、これは以前追加で購入しようとしたら終売になっていて販売元にも在庫が無いようなので、中古でどなたからか譲り受ける以外手に入れる方法はなさそうです。
以前、メルカリで販売していた人から購入しようとしたら、サイズがデカすぎて送るのが難しいとキャンセル扱いになってしまったことがあります。おそらく引き取り限定の感じなので、ピカコーポレイションのガラス温室以外の温室を探した方が良いかもしれません
ただ、室内温室としてはサイズや使用感が最高に良いので、できればもう一つ購入したいんですけどね。
ファン
私がガラス温室内に設置しているのは、小型でもパワーがあって首振りをしてくれるタイプのもので、充電式の電池が付いているのですがケーブルで電源から常時電力を補給しながら使えるものを選びました。
正直ファンはこれ以外に各自の栽培環境に合わせて選べば何でもいいと思います。ただ、私はどうしても首振り機能が欲しかった(温室内の上部にこもった暖かい空気をかき混ぜたかった)のです。
まとめ
栽培方法は様々ですので何が正解とは言えませんが、必ずしも「自然光がBEST」というわけではなく、日本には日本なりの、寒い東北なら東北なりの、そして皆さんには皆さん成りのBETTERな栽培方法があるのではないかなーと日々思っています。多分、沖縄とかならわざわざ高いLED購入しなくても十分育つと思いますし。
とりわけ我が家では外に出すよりも、年中室内でLED栽培した方が大きくなる個体が多いのも事実。ただし、その分電気代とか設備代に投資をしてるので、そこまでする必要があるのかはまた別問題。
自然光で育てて放置気味だったアガベBも成長スピードは遅くとも順調に育ってはいますし、商品として売るのでなければそこまで早く大きくしなくてもいいと思います。
あくまで我が家で行った実験の1つとして捉えていただければと思いますし、もう少し自室での栽培環境を整えてみたいなと思う人は、参考にしていただければ幸いです。
また、私のInstagramでは不定期ですが育て方についてスライド形式で投稿しているので、是非フォローしてみてくださいね!
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