ドルステニア・フォエチダ(Dorstenia Foetida)は、多肉質の葉を落とした痕がデコボコしていて、一見するとワサビのような風貌のなかなか奇妙な形をしたコーデックスです。
自家受粉をして種子を採取することが可能なので、親株が一つあればどんどん増えるという実生好きには嬉しい品種。
形も多種多様で、生長する過程を見ていて飽きません。
そんなドルステニア・フォエチダの実生栽培記録です。
Contents
ドルステニア・フォエチダの種子の購入
【種子の購入先】 多肉植物ワールド
【種子の購入個数】5粒(+2粒おまけ)
【種子の購入時期】2019年2月
種子の購入はYahoo!ショッピングの多肉植物ワールドです。
ドルステニア・フォエチダは流通量の多い品種で、さらに自家採取でどんどん種子がとれるので種子も出品されていることが多いです。
個人で育てて種子を販売している方も多いので、メルカリやヤフオクなどを探してもいいと思います。
ドルステニア・フォエチダの種を蒔く~発芽
【発芽率】 1/7(14%)
【発芽観測】播種から10日後
【用土】 日向土:バーミキュライト=1:1
【播種】 3月上旬
この時は播種時期が3月と寒かったことや、おそらく種子の鮮度もあまり良くなかったようで7粒中発芽は1粒のみ、そしてその1粒も本葉を出す前に枯れてしまいました。
発芽管理については室内で園芸用ヒーターを使っていたので、発芽適温には達していたはずですが、夜間の冷えこみが耐えられなかったのかもしれません。
のちに発芽に成功した時の私の発芽環境は、
・室内腰水管理で容器に蓋はナシ
・自家採取で採取翌日に播種(5月)
・硬質赤玉土(細粒)のみで軽く覆土
というものでした。
自家採取で鮮度がいい種子の場合はおそらく何をしても発芽するんだと思いますが、ドルステニア・フォエチダの種子は「ある程度の高い気温」が大切な気がします。
自家採取した種子の様子や発芽の様子は後述します。
親株(実生株)を購入
最初のドルステニア・フォエチダの種子からの発芽に失敗し、実はその後もう一度購入したのですがそれもダメだったんですね。
これは自分の発芽環境が悪いのか、種子の鮮度などが悪いのかわからなかったので、自分で親株を用意して種子を自家採取して発芽に臨むことにしました。
お迎えしたのはメルカリで出品されていた実生のフォエチダで、確か1300円位だったと思います。いずれは種親になってもらえれば、、と思っていたらすぐにその願いはかないました。
ドルステニア・フォエチダの育て方【環境】
ドルステニア・フォエチダを育ててみて「水が好き」「日光が好き」という印象を強く持ちました。
パキポディウムなどは室内の植物育成用LEDライトで日光と変わらないくらい育ってくれますが、ドルステニア・フォエチダは葉の色が黒ずんでしまった(※上の写真)ので急遽直射日光に当てることにしました。
すると、やや枯れかけていた葉は葉焼けしてしまって赤くなってしまったのですが、それ以外の新たに出てきた葉は日光を浴びて鮮やかな緑色に戻ってきて、水を吸いながらどんどん成長していきました。
最初の葉の色に比べると、外に出した後の方が葉の色が明るくなっていますよね!?
ある程度の遮光があった方がいいかもしれませんが、午前中にしっかり日があたる程度であれば遮光無しでも十分元気に育ってくれるように思います。
ただ、西日ががっつり当たる場合は遮光があった方が安心です。
ドルステニア・フォエチダの種子の自家採取の方法
ドルステニア・フォエチダは、普通に育てていれば春から秋にかけて頻繁に花を咲かせてくれます。
因みに、この星形のヤツが花なのではなく、その中央に集まってる白いのが雌花で緑色の突起が雄花。同じところに雌花と雄花が密集して咲いているので、勝手に受粉して勝手に種をつけます。
親株を購入してから2週間ほどで花芽が出てきて、そこからまた2週間ほどで上の写真のようなサイズになりました。
しばらく経って、星形の中央部分に種子が出てきました。無事受粉して結実したようです。
このまま放っておくと種子がはじけ飛んでしまうので、小さい袋をかぶせて採取します。
2つ上の種子がみえる状態から翌朝にはすでに種が2つ採れていたので、種子が表面に露出し始めたらはじけ飛ぶまではすぐだと思った方がいいでしょう。
自家採取の種子で実生再チャレンジ
自分で育てて採取したドルステニアフォエチダの種子を、採取から翌日にすぐに蒔いてみました。
採取直後に「メネデール&ベンレート」の希釈液に5時間ほど浸して、硬質赤玉土のみの用土にパラっと蒔きました。
すると3日目に2つとも発芽を開始し、これまで発芽に苦労したのがウソかのように簡単に姿を見せてくれました。
播種時期は5月中旬です。
自家採取したような新鮮な種子はメネデールやベンレートは必要なかったかもしれませんね。
フォエチダ栽培経過
購入から半年【2019/10/18】
ドルステニア・フォエチダを購入して半年以上が経過しましたが、想像以上のペースで花芽をつけては種子を飛ばすので、周囲の株でも気が付けば野良フォエチダが芽吹いていました。
メネデールに浸けたりする必要もなく、剛健なフォエチダは普通に発芽するので野良株を増やしやすいように、親株の周囲が広くあいた大きめの鉢に植え替えました。
するとご覧の通りポコポコと芽吹いてはぐんぐん成長しています。
野良株(勝手に種が発芽したやつ)の方が、自分で採取してメネデールに浸けたりした種子よりも発芽率が良い気がするのは、多分ドルステニアの種子は長時間の浸水と高湿度環境に向かないというのが理由のような気がします。(※個人の感想です)
種まき用土の作り方に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ドルステニアを種子から育ててみたい方は是非参考にしてみてくださいね。
まとめ
ドルステニア・フォエチダは私が想像していたよりも数段種子の採取が簡単で、種子の鮮度の事を考えると種をどこかから購入するよりも、まずは親株を購入して育てながら種子を自家採取した方が効率がいいのではないかとさえ思えます。
ここでは親株の生育記録と、そこから取れた種子で育てた実生株の栽培記録を継続して更新していきます。